1つのティーバッグから昆虫400種の痕跡が発見される
Researchers Find Traces of Over 400 Types of Insects in Single Tea Bag
昆虫と植物は食・被食の関係にあるだけでなく、受粉や産卵を助けるなど、さまざまな共生・寄生関係で結ばれている。近年、特定の植物と共生関係にあった昆虫が急速に姿を消す現象や、あるいはその逆の異変が問題になっているが、クレヘンビンケルらの開発した技術は、こうした現象を解明するためのデータ収集に活用できると期待されている。
さらに、この技術を使えば、作物の内部に潜んで大繁殖する害虫の種を特定し、先手を打って駆除することもできる。農業生産性の向上にも大いに役立つと、トーリア大学の声明は述べている。
研究チームは今「この技術を学校の教室で使えるようにするため簡易キットの開発を進めている」と、クレヘンビンケルは話す。「ゆくゆくは市民参加型の大規模な生物多様性の調査プロジェクトを実現させたい」
簡易キットができれば、犯罪捜査にも威力を発揮する。税関で輸入された茶葉を調べ、昆虫のeDNAから産地を割り出して、原産地表示に不正がないかチェックできるし、押収された麻薬に含まれるeDNAから産地を突き止めることも可能になるというのだ。
クレヘンビンケルらの論文のタイトルは「ティーカップの中の虫──乾燥した植物物質から採取した環境DNAで節足動物と植物の関係をモニターする」。英王立協会が発行する査読付き学術誌バイオロジー・レターズのオンライン版に6月15日にアップされた。
*この記事はドイツのゼンガー・ニュースの提供
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