最新記事

生態系

1つのティーバッグから昆虫400種の痕跡が発見される

Researchers Find Traces of Over 400 Types of Insects in Single Tea Bag

2022年6月23日(木)19時27分
ジョセフ・ゴルダー(ゼンガー・ニュース)

昆虫と植物は食・被食の関係にあるだけでなく、受粉や産卵を助けるなど、さまざまな共生・寄生関係で結ばれている。近年、特定の植物と共生関係にあった昆虫が急速に姿を消す現象や、あるいはその逆の異変が問題になっているが、クレヘンビンケルらの開発した技術は、こうした現象を解明するためのデータ収集に活用できると期待されている。

さらに、この技術を使えば、作物の内部に潜んで大繁殖する害虫の種を特定し、先手を打って駆除することもできる。農業生産性の向上にも大いに役立つと、トーリア大学の声明は述べている。

研究チームは今「この技術を学校の教室で使えるようにするため簡易キットの開発を進めている」と、クレヘンビンケルは話す。「ゆくゆくは市民参加型の大規模な生物多様性の調査プロジェクトを実現させたい」

簡易キットができれば、犯罪捜査にも威力を発揮する。税関で輸入された茶葉を調べ、昆虫のeDNAから産地を割り出して、原産地表示に不正がないかチェックできるし、押収された麻薬に含まれるeDNAから産地を突き止めることも可能になるというのだ。

クレヘンビンケルらの論文のタイトルは「ティーカップの中の虫──乾燥した植物物質から採取した環境DNAで節足動物と植物の関係をモニターする」。英王立協会が発行する査読付き学術誌バイオロジー・レターズのオンライン版に6月15日にアップされた。

*この記事はドイツのゼンガー・ニュースの提供

ニューズウィーク日本版 トランプのイラン攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月10号(3月3日発売)は「トランプのイラン攻撃」特集。核・ミサイル開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。アメリカとイランの全面戦争は始まるのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、イランに米軍の位置情報提供か=報道

ビジネス

原油高「一過性」、金融政策への影響は限定=ウォラー

ビジネス

米雇用統計、労働市場の弱さ示唆 リスクは両面=SF

ビジネス

米2月雇用9.2万人減、予想外のマイナス 失業率4
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 2
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 3
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園で撮影された「恐怖の瞬間」映像にネット震撼
  • 4
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 5
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 6
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 7
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    「ハリポタ俳優で終わりたくない」...ハリー・メリン…
  • 10
    【イラン戦争で中東再編へ】トランプを止めるのは湾…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中