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TIME TO THINK ABOUT INVESTING

2022年4月15日(金)17時00分
酒井理恵(ライター)

投資初心者の場合、「分散投資」と「長期投資」を心掛けることが基本だ。分散投資とは、投資する銘柄や資産、時間、地域を分散して投資すること。投資先が予想外の暴落をしたとき、一度に資産を失うリスクを避ける手法の1つだ。

分散投資を手軽に行える方法が、1つの商品に複数の銘柄が組み入れられた金融商品である投資信託を買うことだろう。

「資産」の分類には株式、債券、不動産などがあり、「地域」は日本、先進国、新興国の3つに大きく分けられることが多い。初心者は購入手数料や信託報酬などの手数料が安く、なるべく広く分散されている投資信託を選びたい。

さらに、毎月一定額を自動的に買い付ける積立型の投資信託は、「時間」の分散に有効。長期にわたり定額を購入し続けると、基準価額(投資信託の値段)が高いときは少ない口数を買い、低いときには多くの口数を買えることになる。一括購入よりも平均購入単価が下がる場合があり、運用成果を出しやすくなる。これをドルコスト平均法と呼ぶ。

「値動きの上下は短期的に見ればリスクだが、長期的には味方にすることができる」と、ニッセイ基礎研究所の高岡和佳子は言う。

一定期間は運用益が非課税になる「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、少額からの長期・積立・分散投資を支援するために国が作った制度。これから投資を始めるならぜひ活用したい。

「資本家になる」という思考

金融商品には投資信託以外にも、個別株やFX(外国為替証拠金取引)などがある。

異なる2つの通貨を売買するFXは為替相場の変動が予想どおりになれば大きな収益を出せるが、これだけで老後の資産などを形成するには不向きと言える。株式や債券と違って為替市場自体はお金を生まないので、取引を繰り返さない限り利益は増えないからだ。

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