最新記事

新型コロナ対策

日本のコロナ療養が羨ましい!無料で大量の食料支援に感動の声

Care Packages Sent by Tokyo to Quarantining Citizens Spur Debate Over U.S. COVID Outreach

2022年1月11日(火)18時05分
エマ・マイヤー

緊急事態宣言下、客室を除菌する都内のホテル(2020年6月) Issei Kato-REUTERS

<東京で新型コロナに感染してしまた外国人が東京都から受け取った食料の写真に海外の読者が反応>

日本在住のある「レディット(Reddit)」ユーザーが、新型コロナウイルス陽性になったときに受けた公的サービスについて投稿したところ、これを見た世界各国の人々からコメントが相次いでいる。

まずユーザーのハートを捉えたのはこの写真。レトルトカレー、うどんやそばなどのカップ麺に加え、コーヒーや水、フルーツの缶詰、豆の水煮、粉末スープ、パックご飯、スナック菓子などの基本的な食料品を含む、約1週間分のインスタント食品。東京都から受け取った、療養者向けの支援パッケージだ。「まさかこんなにくるなんて。他の人もみんなこんなにもらっているんだろうか」

レディットで「FriedCheeseCurdz」と名乗るこのユーザーは、数日前に新型コロナウイルス陽性と判定された。毎朝(保健所から)電話が来て、その日の体温、症状、酸素レベルについて、最新の状況を報告する必要がある。

隔離期間中はホテルに滞在する選択肢もあったが、一人暮らしなので自宅療養を選んだ。「すると自宅への食料配送を希望するかと尋ねられたので、それはお願いすることにした(無料だったから)」

東京都のウェブサイトによると、都内在住の陽性者には、酸素飽和度を計測するためのパルスオキシメーターなども配送してもらえるという。

ショックを受ける米英人

これを読んだ他のユーザーたちは次々に自身の体験と比較したコメントを書き込んだ。ニュージーランド、ドイツ、タイに住むユーザーは、自分たちも似たような支援パッケージを受け取ったと述べた。だが他の一部の国、具体的にはアメリカやイギリスからは、自分たちはこんなサービスを受けていないと自国の政府を非難する声が寄せられた。

あるユーザーはこう書き込んだ。「こうした支援は、闘病中の孤独を和らげるのにきっと役立つだろう。アメリカ政府はこの件で(失策)続きなので、筋の通った、役に立つ支援策を行っている国があるのを見ると、胸がすく思いだ」

「イギリス政府は、『家にいろ、外に出るな、食料が尽きたらご愁傷様』という態度だ。むちゃくちゃにもほどがある」というものも。

次は科学者のラッキー・トラン。「『アメリカ政府はできるだけのことをやっている』と言う人は、日本で隔離された人に送られてくるものを見てほしい」「私たちは自国の指導者に対し、もっと対策力を尽くせ、自らの無策について言い訳をするな』と要求すべきだ」

また別のレディットのユーザーは「国によってこれほど自国民の扱いが違うとは驚きだ」と書く。「こうした対応の差は、社会全体のウイルスに対する捉え方や知識に大きな影響を与えるものだ。要するに、まったく異なる複数の現実が併存している」

もっとも、日本にはオミクロン株の波がようやく届いたばかり。これからピークを迎えても尚、羨ましい国でいられるだろうか。

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:マスク氏の新党構想、二大政党制の打破には長く

ビジネス

6月工作機械受注は前年比0.5%減=工作機械工業会

ワールド

解任後に自殺のロシア前運輸相、横領疑惑で捜査対象に

ビジネス

日産、米国でのEV生産計画を延期 税額控除廃止で計
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワールドの大統領人形が遂に「作り直し」に、比較写真にSNS爆笑
  • 4
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 7
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 8
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 9
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 8
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 9
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中