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生物透明な頭部、極めて珍しい深海魚「デメニギス」の姿が動画で撮影された
目のようにみえる2つの小さなくぼみは嗅覚器官で、頭頂部に向かって緑の光を放つ2つの球体が眼球だ Ezra Weller-wikipedia
<姿がとらえられることは極めて稀な深海魚デメニギスの泳ぐ姿が撮影された。2004年まで、透明な頭部の存在は知られていなかった...... >
透明なドーム状の膜で覆われた頭部をもつ珍しいデメニギスの姿がとらえられた。
米モントレー湾水族館研究所(MBARI)は、2021年12月9日、遠隔操作無人探査機(ROV)「ベンタナ」がモントレー峡谷の水深約650メートル地点で撮影した動画をツイッターの公式アカウントで公開している。
I spy with my barreleye, a new #FreshFromTheDeep!
— MBARI (@MBARI_News) December 9, 2021
During a dive with our education and outreach partner, the @MontereyAq, the team came across a rare treat: a barreleye fish (Macropinna microstoma). pic.twitter.com/XjYj04MOCt
体長15センチのデメニギスは、ベーリング海から日本、カリフォルニア半島にわたる太平洋北部海域に分布し、水深600~800メートルの中深海で生息している。
その姿がとらえられることは極めて稀だ。モントレー湾水族館研究所では、遠隔操作無人探査機「ベンタナ」と「ドック・リケッツ」を遠隔操作してこれまでに5600回以上の探査で2万7600時間以上の動画を撮影したが、デメニギスと遭遇したのはわずか9回にとどまる。
2004年まで、透明な頭部の存在は知られていなかった
デメニギスは、眼球にも特徴がある。目のようにみえる2つの小さなくぼみは嗅覚器官で、頭頂部に向かって緑の光を放つ2つの球体が眼球だ。眼球は通常、真上に向けられ、上方から差し込むわずかな光でできる影をとらえて、動物プランクトンやクダクラゲなどの餌生物を見つけだす。
眼球の緑の色素は、海面からの太陽光を除去する働きがあるとみられる。デメニギスは、餌生物を見つけると、その行方を追えるよう眼球を回転させて視点を前方へと動かし、これを捕食する。
デメニギスについては、個体数を含めて、まだ多くの謎が残されている。デメニギスが初めて記述されたのは1939年であったが、漁師によって捕獲された当時の標本はドーム状の透明な頭部が損傷していた。そのため、モントレー湾水族館研究所が初めて自然の生息地でデメニギスを観察した2004年まで、透明な頭部の存在は知られていなかった。現時点でも、デメニギスになぜ透明な頭部があるのかは、明らかになっていない。
New deep-sea sighting: The barreleye fish has a transparent head and tubular eyes