最新記事

住民投票

ニューカレドニア、フランスからの独立を否決 賛成派がボイコット

2021年12月13日(月)08時32分
ニューカレドニアの代表とパリで会談するフランスのマクロン大統領(右から2人目)

12月12日、南太平洋の仏領ニューカレドニアで、フランスからの独立を問う住民投票が実施された。独立賛成派によるボイコット運動で投票率が大幅に低下する中、暫定結果では反対多数で独立が否決された。写真は6月、ニューカレドニアの代表とパリで会談するフランスのマクロン大統領(右から2人目)。代表撮影(2021年 ロイター)

南太平洋の仏領ニューカレドニアで12日、フランスからの独立を問う住民投票が実施された。独立賛成派によるボイコット運動で投票率が大幅に低下する中、暫定結果では反対多数で独立が否決された。

独立賛成派が多い先住民カナクは、9月の新型コロナウイルス感染拡大を受けて12カ月間の服喪期間にあることを理由に、住民投票の延期を求めていた。

仏当局が発表した暫定結果によると、反対票は96.5%、投票率は43.9%。反対票は2020年の前回投票で53%、18年の投票では57%だった。

ニューカレドニアの独立の是非を巡っては、1998年の「ヌメア協定」で3回の住民投票を行うことで合意しており、今回が最後となる3回目に当たる。

マクロン仏大統領はテレビ演説で「住民はフランスへの残留を選択した。彼らはそれを自由に決定した」と強調。その上で「長年にわたり分断が続いたことは無視できない。これから移行の時が始まる」と述べた。

独立派指導者であるニューカレドニア議会のワミタン議長は、現地の服喪の慣習を尊重して3回目の住民投票を来年9月に延期するよう求める声を仏政府が退けたのは遺憾だとコメント。

「われわれにとって、これは3回目の住民投票ではない。合法的な住民投票は18年と20年の2回のみだ。今回の住民投票はフランスの投票であり、われわれの投票ではない」と述べた。

アナリストは、独立派の間で反発が広がり、混乱が起きる可能性に懸念を示している。

シンクタンク「IISS」のアナリスト、フランソワ・エズブール氏はツイッターで、最悪のシナリオは、反対多数で独立が否決される一方、カナクの大規模な棄権で投票の正当性が否定されることだと指摘した。

ニューカレドニアはオーストラリアの東1200キロに位置し、ニッケル資源が豊富。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン抗議デモで死者500人超、トランプ氏「強力な

ビジネス

米政権が刑事訴追警告とパウエル氏、金利巡る圧力強化

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ石油収入の差し押さえ阻止へ大

ビジネス

パウエルFRB議長を捜査、米連邦検察 本部改修巡り
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 10
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中