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外交ニカラグアが台湾と断交、中国と国交締結 「米国の裏庭」にも中国が影響力
中米ニカラグアの外務省は9日、台湾との外交関係を断ち、中国と国交を結んだと発表した。写真はニカラグアのオルテガ大統領(左)、資料写真、2018年9月撮影(2021年 ロイター/Oswaldo Rivas)
中米ニカラグアの外務省は9日、台湾との外交関係を断ち、再び中国と国交を結んだと発表した。折しもバイデン政権が「民主主義サミット」を開く中、「米国の裏庭」で中国と関係強化する動きが起こり、政権にとっては痛手だ。
ニカラグア政府は声明で「本日、台湾との外交関係を断絶し、いかなる接触も公式な関係も停止する」と表明。「中華人民共和国が中国を代表する唯一の合法的な政府であり、台湾は不可侵な中国領土の一部だ」とした。
中国はこの決定を歓迎。外務省は10日、ニカラグアが中国との外交関係を再構築し、台湾と断交するという「正しい」決定を下したことを称賛する声明を発表した。
ニカラグアの断交で、台湾と外交関係を結ぶ国は14カ国に減る。
王毅国務委員兼外相は、台湾と外交関係を持つ国が存在するのは、台湾の「ドル外交」と米国の圧力があるからだと指摘した。
張軍中国国連大使は「ニカラグア政府の正しい決定を高く評価する。時代の流れと人々の願いに沿ったものだ」とし「一つの中国の原則は、国際社会で広く受け入れられているコンセンサスで、いかなる挑戦も許されない」と主張した。
台湾はニカラグアの決定に遺憾の意を表明し、オルテガ大統領が台湾とニカラグアの人々の友好関係を無視したと批判。
台湾外交部(外務省)は「国際社会のメンバーとして、台湾は他国と交流し、外交関係を発展させる権利がある」と表明。今後も「実務的な外交」を推進して、台湾の「正当な国際的地位」の実現に努めるとした。
蔡英文総統は10日、「台湾の民主主義が成功すればするほど、国際的支持が高まり、独裁主義の国からの圧力が強まる」と記者団に語り、民主主義を守るという決意は揺るがないと述べた。
米の裏庭で中国に寝返り
ニカラグアはオルテガ政権下の1985年に台湾と断交したが、90年に当時のチャモロ大統領が外交関係を復活していた。
米国務省は、ニカラグアの断交発表を受け、ニカラグア政権は自由な選挙で選ばれたわけでなく、決定は民意を反映していないと指摘。民主主義や法の支配を尊重する全ての国に台湾との関係強化を呼び掛けた。
台湾の高官はロイターに、バイデン政権主催の民主主義サミットが開かれ、台湾も参加しているタイミングの断交は「挑発的」と指摘。
別の台湾外交筋は、米国がニカラグア政府高官に科している制裁措置を踏まえると、今回の動きは驚きではなく、中国に援助や支援を求めるのは自然だろうという見方を示した。
中米ではホンジュラスも台湾と外交関係を持つが、11月の大統領選挙で親中派候補が勝利、今後の対応が注目される。
初の女性大統領となるカストロ氏はマニフェスト(選挙公約)で、勝利すれば中国と国交を結ぶと約束。選挙目前に、米政府が高官を送り込んだ。その後、マニフェストを起草したカストロ氏の側近はロイターに、最終的な決定はしていないとトーンダウンさせている。
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