最新記事

ライフスタイル

幸せな生活を突き詰めた結果、行きついた「核シェルター」 その住み心地は?

Living Underground

2021年12月3日(金)11時25分
ルーベン・ロメロ(ウェブコンサルタント)
ルーベン・ロメロ

ついに購入した核シェルターは天井もけっこう高い RUBEN ROMERO

<どこに住むのが最も幸せだろうかと考えた末に、わが家は(ひょっとしたら)究極の選択に行き着いた>

私たち一家が初めて家を持ったのは、ニューヨーク州西部のナイアガラフォールズだった。だがやがて、自分たちが本当に望んでいるのは都会での生活ではないように思えてきた。

程なく、ジョージア州ピーチツリーシティーに引っ越した。田舎暮らしを愛する人にとって、この町はパラダイスだ。市内にはゴルフカートで走れる道路が総延長150キロも張り巡らされており、大半の家が通学や買い物にカートを使っている。近隣の公共プールは、3本の通りの住民で貸し切り状態にできた。

私は個人でウェブサイト作成などの仕事をしているから、ネット接続さえあれば住む場所はどこでもいい。そこで、新しいすみかの候補を家族で話し合った。船、潜水艦、無人島などとっぴなアイデアがいくつも出たが、その中では核シェルターに住むという案がまだまともに思えた。

アメリカでは通信大手AT&Tが、1960年代に核攻撃から通信インフラを守るための施設として、多くの核シェルターを建設した。だが80~90年代になると、おそらく通信回線が同軸ケーブルから光ファイバーに移行したことを受けて、大半が売りに出された。購入したシェルターを直して住居にした人たちがいることも分かった。

広さは実に560平方メートル

私たち一家は、核シェルターに住むというアイデアに心を奪われ、着々と準備を進めた。そして昨年6月、とうとうアメリカの真ん中辺りにあるシェルターを購入した。内部には、オフィスや通信設備が設置されていた部屋など、4つの大きな部屋がある。最も大きな部屋は、もともとは蓄電池室だったという。

どの部屋も、天井の高さは5メートルほど。そして全体の床面積は、実に560平方メートルだ。

シェルターは銅線の網で覆われている。核爆発に伴って発せられる電磁パルスを遮断するための構造だ。正面と裏口にそれぞれ重さ1トン前後の防爆扉があり、脱出用ハッチもある。核爆発が起こっても、直撃しない限りは耐えられるのだろう。

現在は改修作業を進めている。天井の金属をかなり剝がさなくてはいけないが、基本的な構造は残すことになる。もともと居住用ではないスペースを、そこで暮らしながら改修しているので、我慢も必要になる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、中国との貿易協定巡りカナダに警告 「1

ワールド

アングル:中国で婚姻数回復傾向続く、ドレス業界が期

ワールド

ウクライナ2都市にロシアが攻撃、和平協議直後

ビジネス

乳児ボツリヌス症の集団感染、バイハート社の粉ミルク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 3
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投稿したアメリカを嘲笑する動画にネット爆笑
  • 4
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 5
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 8
    「これは違法レベル...」飛行機で「史上最悪のマナー…
  • 9
    トランプを支配する「サムライ・ニッポン」的価値観…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 9
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 10
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中