コーギー犬をバールで殺害 中国当局がコロナ対策で...批判噴出
海外でも広く報道
動画は海外でも大きく取り上げられた。英ガーディアン紙は「オーナーの隔離中にペットの犬が殺された一件は、中国のソーシャルメディアに激しい怒りを巻き起こした」と報じている。
中国ではゼロコロナを目指した厳格な対応が続いており、給湯設備もないホテルに自費で隔離を強いられ、衛生面・経済面ともに追い詰められる人々が出ている。ガーディアン紙はこのような背景を踏まえ、コーギーの一件が「継続的に起きているデルタ株のアウトブレイクとの闘いにおいて、保健当局が取っている極端な措置に関し、疑問を生じさせるものとなっている」と指摘する。
米ワシントン・ポスト紙は、中国国営メディア『環球時報』の編集長が微博への書き込みを通じて火消しに動いたと報じ、本件が国家規模の関心ごとになった証だと述べている。
問題の書き込みは、強い怒りを示すユーザーたちに「完全に共感する」としている。そのうえで、ジョウジョウ市の感染状況は「緊張状態にあった」とし、当局の対応に一定の理解を示す内容となっている。これに対しワシントン・ポスト紙は、環球時報の編集長が「殺害の矮小化を試みた」と批判的だ。
9月には黒龍江省ハルビンでも、飼い主の検疫中にペットの猫3匹が安楽死させられる事件があった。当該のペットは今回の一件と同様、新型コロナウイルスへの感染が確認されていたわけではなかった。米国営放送のNPRはほかにも、成都や無錫など複数の都市において、飼い主の隔離中に当局が猫を処分するケースが相次いでいると報じている。
デルタ株の出現以降、ゼロコロナ政策はそもそも現実的でないとの指摘も出ている。効果が不透明なその指針のもと、犬や猫などペットが犠牲になっている。
CNN Español