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国際政治日本抜き「新クアッド」発足、笑うのはインド
モディ首相(右)率いるインドは中東を重視 ADNAN ABIDIーREUTERS
<日米豪印の「クアッド(QUAD)」と何が違うのか。何が狙いなのか>
新時代の始まりか。インド、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)、アメリカの4カ国間経済フォーラムが10月20日に発足した。
焦点である貿易や気候変動、エネルギー、海洋安全保障は先行する日米豪印の「クアッド」が重視する課題だが、「新クアッド」は本家ほどには中国への対抗は重視していない。
新クアッドはインドの利益になりそうだ。
エネルギーを依存し、大勢のインド人移民が働く中東はインドの戦略的重要地域。なかでもイスラエルは主要な武器供給元であり、水管理強化に役立つ最先端農業技術を有する。
一方、UAEはインドが切望するインフラ金融を提供できる。
また、アメリカにとってはイスラエルとUAEの中国離れを促す機会になる。これもインドの利害と一致する。
当面の課題は持続性と実質性だ。定期的にハイレベル会合を実施し、新たなイニシアチブを生み出せなければ、掛け声倒れで終わりかねない。
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