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小惑星小惑星帯にある42個の天体が画像でとらえられる
42個の小惑星 ESO/M. Kornmesser/Vernazza et al./MISTRAL algorithm/ONERA/CNRS
<小惑星帯に位置する42個の小惑星を画像で鮮明にとらえることに成功した>
太陽系内の火星の公転軌道と木星の公転軌道との間には多くの小惑星が集中する「小惑星帯」がある。小惑星帯にある天体のうち、これまでに画像で細部までとらえられているのは、準惑星ケレス、小惑星ベスタ、小惑星ルテティアのみであった。
仏マルセイユ天文物理研究所(LAM)らの研究チームは、南米チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)に設置された観測機器「SPHERE」を用いて2017年から2019年まで観測を行い、小惑星帯に位置する42個の小惑星を画像で鮮明にとらえることに成功した。
その研究成果は、2021年10月12日に学術雑誌「アストロノミー・アンド・アストロフィジックス」で発表されている。
最も大きいのは直径940キロのケレス、次は直径520キロのベスタ
画像でとらえられた小惑星42個のうちの大半は、直径100キロ以上の比較的大きな小惑星だ。小惑星帯にある直径200キロ以上の小惑星23個のうち20個が画像でとらえられている。最も大きな天体は直径940キロのケレスで、直径520キロのベスタがこれに次ぐ。また、最も小さい小惑星はいずれも直径約90キロのウラニアとアウソニアであった。
これらの小惑星の形状は球体と楕円形に大別される。ケレスや直径407キロのヒギニア、直径147キロのフローラ、直径127キロのアデオナは球体である一方、ベスタやシルビア、イヌの骨のような形状で知られるクレオパトラは細長い形状をなしている。
密度はさまざま、天体の組成の並外れた多様性
研究チームは、小惑星の大きさや質量のデータをもとに、その密度を算出した。最も密度が大きいのは4.3グラム毎立方センチメートルのカリオペで、3.9グラム毎立方センチメートルのプシケがこれに次ぐ。いずれもダイヤモンドの密度よりも大きい。一方、最も密度が小さいのは約1.3グラム毎立方センチメートルのランベルタとシルビアで、石炭の密度とほぼ同等であった。
このような密度の違いは小惑星の組成が著しく異なることを示唆している。研究論文の共同著者でプラハ・カレル大学のヨーゼフ・ハヌシュ博士は「我々の観測結果は、これらの天体が形成された後に移動してきたことを裏付けるものだ」とし、「このような天体の組成の並外れた多様性は、それぞれが太陽系の異なる領域にわたって生まれたということでしか説明がつかない」と述べている。
Meet 42 Asteroids in Our Solar System (ESOcast 243 Light)