最新記事

事件

ハイチの米国人宣教師ら誘拐事件、ギャングが19.4億円の身代金要求

2021年10月20日(水)10時49分

ハイチで米国人とカナダ人の宣教師の一団が誘拐された事件で、ハイチ高官は10月19日、誘拐したギャングが身代金として計1700万ドルを要求していると明らかにした。写真は宣教師らが所属するキリスト教援助団体「クリスチャン・エイド・ミニストリーズ」の施設の入り口。ハイチの首都ポルトープランスで18日撮影(2021年 ロイター/Ralph Tedy Erol)

ハイチで米国人とカナダ人の宣教師の一団が誘拐された事件で、ハイチ高官は19日、誘拐したギャングが身代金として計1700万ドル(約19億4600万円)を要求していると明らかにした。

キテル司法相はロイターの取材に対して、宣教師らの解放を求めて犯人と交渉を行っていると説明。身代金について確認し、「1人100万ドル(約1億1400万円)を要求してきた」と述べた。

身代金の額については米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が19日に最初に報じた。

CNNは先に、誘拐犯が16日に宣教師らが所属するキリスト教援助団体「クリスチャン・エイド・ミニストリーズ」に身代金額を電話で伝えたと報じた。司法相によると、米連邦捜査局(FBI)とハイチ警察が交渉を手助けした。

司法相がCNNに語ったところによると、誘拐犯とキリスト教団体は電話で何度かやり取りした。

クリスチャン・エイド・ミニストリーズによると、誘拐された米国人16人とカナダ人1人の中には、生後8か月の乳児を含む5人の子どもがいる。誘拐されたのは首都から13キロ離れたクロワ・デ・ブーケという地域で、ギャング「400マオゾ」が支配している。

クロワ・デ・ブーケでは4月に神父5人と修道女2人が誘拐されたが、月末には解放された。司法相はWSJに神父2人を解放するため身代金が支払われたと述べた。

現地の政治・経済情勢が混乱を極める中、誘拐事件はここ数カ月に一段と増えている。ハイチの人権団体「人権分析研究センター(CARDH)」によると、今年1─9月に誘拐は628件以上に上った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、一部銀行の債券投資調査 利益やリスクに

ワールド

香港大規模火災、死者159人・不明31人 修繕住宅

ビジネス

ECB、イタリアに金準備巡る予算修正案の再考を要請

ビジネス

トルコCPI、11月は前年比+31.07% 予想下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 8
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 9
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 10
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中