最新記事

自然災害

ハリケーン被害:洪水で流れてきたワニに庭で食われる

Remains of Man Attacked During Hurricane Ida Found Inside 500-Pound Alligator

2021年9月15日(水)19時10分
サマンサ・ベルリン
ワニ

ルイジアナ州では、洪水で流れてくるものに要注意 Holcy-iStock.

<洪水が庭先まで運んできたのは、体重230キロのアメリカアリゲーターだった>

米国ルイジアナ州南東部で9月13日(現地時間)、体重230キロ弱のアメリカアリゲーター(別名:ミシシッピワニ)の体内から、人間の遺体の一部が見つかった。この遺体は、2週間前から行方がわからなくなっていた71歳の男性のものとみられている。この男性は、大型ハリケーン「アイダ」で発生した洪水で流されてきたワニに襲われたと考えられている。

地元セントタマニー郡の保安官事務所職員は、ルイジアナ州魚類野生生物局(LDWF)の職員およびルイジアナ州の野生生物部から許可を受けた害獣駆除ハンターと共同で罠を仕掛け、体長約3.6メートルのこのワニを捕獲した。体内から、人間の遺体の一部が発見された。現在は郡の検視局が、この遺体が、行方不明となっていたティモシー・サテルリーのものかどうかを特定する作業を行っている。

身の毛もよだつ悲劇

妻の話によれば、サテルリーは2週間前、庭で膝まで水に浸かっていたところをワニに襲われた。夫の片腕を引きちぎったワニを夫を引き離し、体を階段にもたれかけさせてボートで助けを求めに出たが、戻ってきた時には夫の姿はなくなっていたという。

「これは身の毛もよだつ悲劇であり、サテルリー家のみなさんには心からお悔やみを申し上げる」と、郡保安官のランディ・スミスは13日付けでフェイスブックに投稿した。「今日の発見が何らかの区切りとなることを願ってやまない。保安官事務所や支援にあたった他の機関の職員の、不眠不休の働きをとても誇りに思う。何としてでもこのワニを見つけるという職員の粘り強い努力が、ご遺族が死に向き合う上での支えになればと願う」

保安官のスミスは、この地区の住民に対し、浸水地域を歩く時には細心の注意を払うようにと呼びかけた。ハリケーン「アイダ」の影響で、普段の生息地を離れたところにも野生生物がうろついていることがその理由だ。

ルイジアナとフロリダの2州は、アリゲーターの生息数がアメリカで最も多い地域で、その数はそれぞれの州で100万頭を超えると、ルイジアナ州魚類野生生物局(LDWF)は述べている。

LDWFでは、害獣駆除ハンターを動員することで、野生のワニと人間の間に起きるトラブルを最小限に抑えるよう務めている。LDWFの基準では、体長約1.2メートル以上のアリゲーターはすべて害獣に区分される。駆除を担うハンターは、害獣に相当するアリゲーターを毎年1000頭以上捕獲している。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、ガリウムやゲルマニウムの対米輸出禁止措置を停

ワールド

米主要空港で数千便が遅延、欠航増加 政府閉鎖の影響

ビジネス

中国10月PPI下落縮小、CPI上昇に転換 デフレ

ワールド

南アG20サミット、「米政府関係者出席せず」 トラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 9
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中