最新記事

火山

【動画】ヨーロッパ最大の活火山、噴火でさらに伸びていた 伊エトナ火山

2021年8月19日(木)19時00分
青葉やまと

ガーディアン紙はAFP通信を転電し、シチリア州自治体が7月までに30万トンにのぼる灰を処理したと報じている。エトナ火山から車で2時間ほどのところに住む女性は取材に対し、ときに灰がまるで雨のように降り注ぐ厄介な存在であり、火山から2時間離れた自宅でも噴火で窓が揺れることがあると訴えている。

危険性はほぼないというが......

安全面のリスクについてシチリア州自治体は、火山周辺の村への危険性はほぼないと判断している。しかし、数週間から数日おきに突如として発生する噴火は、やはり住民の生活に大きな影響を及ぼしている。エトナ火山の活発な火口は、予告なく爆風と噴石を放出する。

建物や農作物、そして自動車などへの被害は深刻だ。今年5月に英BBCは、自動車の練習中であったという18歳住民の体験談を掲載している。麓の町を走っていたところ、「彼女がかつて聞いたこともないような音」を耳にして車を停めたという。直後、巨大な赤い雲が頭上に広がり、車の屋根とフロントガラスに噴石が降り注いだ。辺りはすぐに赤みを帯びた空気で覆われた。コロナ対策で偶然マスクを着けていなければ、息をするのも困難だっただろう、と女性は振り返る。

メトロ紙も以前の報道において、その激しい噴火は夜空を濃いオレンジ色に染め上げたほどだと伝えている。

ヨーロッパ最大の活火山であるエトナ火山について、ある年老いた住民はその美しさを誇りに思うと語っている。しかし同時に、標高を変えてしまうほどの力を秘めた自然の猛威は、シチリア島の住民たちを大きく戸惑わせることがあるようだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中