【動画】ヨーロッパ最大の活火山、噴火でさらに伸びていた 伊エトナ火山
英ガーディアン紙はAFP通信を転電し、シチリア州自治体が7月までに30万トンにのぼる灰を処理したと報じている。エトナ火山から車で2時間ほどのところに住む女性は取材に対し、ときに灰がまるで雨のように降り注ぐ厄介な存在であり、火山から2時間離れた自宅でも噴火で窓が揺れることがあると訴えている。
危険性はほぼないというが......
安全面のリスクについてシチリア州自治体は、火山周辺の村への危険性はほぼないと判断している。しかし、数週間から数日おきに突如として発生する噴火は、やはり住民の生活に大きな影響を及ぼしている。エトナ火山の活発な火口は、予告なく爆風と噴石を放出する。
建物や農作物、そして自動車などへの被害は深刻だ。今年5月に英BBCは、自動車の練習中であったという18歳住民の体験談を掲載している。麓の町を走っていたところ、「彼女がかつて聞いたこともないような音」を耳にして車を停めたという。直後、巨大な赤い雲が頭上に広がり、車の屋根とフロントガラスに噴石が降り注いだ。辺りはすぐに赤みを帯びた空気で覆われた。コロナ対策で偶然マスクを着けていなければ、息をするのも困難だっただろう、と女性は振り返る。
英メトロ紙も以前の報道において、その激しい噴火は夜空を濃いオレンジ色に染め上げたほどだと伝えている。
ヨーロッパ最大の活火山であるエトナ火山について、ある年老いた住民はその美しさを誇りに思うと語っている。しかし同時に、標高を変えてしまうほどの力を秘めた自然の猛威は、シチリア島の住民たちを大きく戸惑わせることがあるようだ。