最新記事

環境汚染

ペン型電子タバコを飲み込んだ若鳥が餓死

Young Bird Dies at Zoo After Swallowing Vape Pen

2021年6月3日(木)22時02分
キャロライン・ティエン
電子タバコを飲み込んだ若鳥の内視鏡写真

若鳥の胃を塞いでいたペン型電子タバコ Wellington Zoo/Facebook

<飲み込むにはあまりに大きく見える異物、鳥は魚のつもりで喜んで飲み込み、それが最後の食事になった>

ニュージーランドのウェリントン動物園が保護した鳥が、ペン型の電子タバコを飲み込んだために死んだ。環境汚染の犠牲者だ。

動物園が5月31日にフェイスブックで発表したところによると、死んだのはマミジロウと呼ばれる中型のカワウだ。

「残念ながら、動物たちがこうした悲劇に襲われるのは珍しいことではありません」と、動物園は書いている。「これを教訓にして常に後片付けを心がけ、鳥があなたのゴミを食べ物と間違えないようにして下さい」

死んだのはまだ若いオスで、ウェリントン郊外のオフィロ湾で「飢えて弱っている」ところを発見され、地元の動物虐待防止センター経由で動物園にきた。検査で何が悪いかはすぐにわかった。ペン型の電子タバコを飲み込んでいたのだ。

「誰かが落としたんでしょう。キラキラしているので、鳥が拾っても不思議ではありません」と、スタッフのシャナ・ローズは言う。

ペンが消化管を塞いでいたので何日も餌が食べられなかったとみられ、発見時には痩せ細っていたという。

ペンはすぐに取り除いたが、夜の間に死んでしまった。飢えだけでなく、「金属とニコチンの重い中毒」もあったと思われるという。

2020年7月以降、ビニール袋や釣り針などを飲み込んでこの動物園が治療したマミジロウは26羽以上。海鳥たちは、餌に似た物を見ると食べてしまう習性がある。今回死んだマミジロウも、ペンを小魚と見間違えたのかもしれないという。

「格好の獲物だ、と思ったら、最後の獲物になってしまった」と、ニュージーランド自然保護局の科学顧問、グレアム・テイラーは言う。

WWFオーストラリアによると、プラスチック汚染のせいで死ぬ海鳥の数は年間約100万羽にものぼる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

円続伸し152円台後半、ドルは弱い指標が重し

ワールド

ウクライナ大統領、選挙計画を2月24日に発表へ=英

ワールド

香港活動家の父親に有罪判決、娘の保険契約巡り基本法

ビジネス

中国1月CPI、+0.2%に鈍化 PPI下落率縮小
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中