ファイザー製を選り好み......身勝手なドタキャン問題化 カナダ
貴重な予約枠が当日キャンセルで無駄になっている
事実上、両ワクチンの効能に顕著な差異はなく、むしろ当日キャンセルにより接種時期が遅れるデメリットが大きい。しかし、依然として優劣があるとする噂が人々を翻弄し、予約枠を浪費する市民が後を絶たない。
これまでのところ幸運にも、こうした選り好みによって無駄になったワクチンはないという。しかし、当日キャンセルが公然と行われる現状を鑑みるに、予約制度そのものの崩壊が懸念される。
グローバル・ニュースは、予約枠のひっ迫を報じている。州は接種対象者を18歳以上に拡大したが、ハミルトン市が確保するワクチンの絶対数が追いついておらず、希望者に対応できていない状態だ。
診療所によってはアクセス多数でシステムに障害が起きるほどとなっており、ワクチン予約は争奪戦の様相を呈している。また、市が用意する予約専用ダイヤルにかけても予約枠に空きがないと断られるケースが続出しており、混乱は増すばかりだ。予約を取れてもすぐにワクチンを接種できるわけではなく、接種日程は早くて2週間後、あるいはそれ以上先となる。
予約枠がこれほど貴重な存在となっているだけに、枠を勝ち取った一部の市民がその権利を直前で放棄する行為は、社会の反感の的となっている。こうした人々が何度も予約を取れば予約の総数が増え、善良なその他の市民の予約日が遅延する結果を招きかねない。
日本同様、複数の予約を掛け持ちする行為も横行する
ハミルトン市の出来事とは別に、カナダの一部地域では、複数の予約を重複して取る行為が問題となっている。カナダ中部の地方紙『レジーナ・リーダー・ポスト』は、すでに予約枠を押さえた人々がさらに1日でも早い接種日程を求め、2つ目、3つ目の予約を取っていると報じている。
2つ目の予約を取った時点ですでにある予約はキャンセルすべきだが、これを怠る人々が多く、結果として予約済みのはずの人が接種会場に姿を見せないという事態になっている。
複数予約を取ったうえで一部を無視する行為は、優先接種が始まった日本でもすでに問題になっている。似たケースが問題化していることを踏まえると、日本でもこの先、ワクチン銘柄の選り好み問題も起きかねない。貴重な予約枠を浪費しないよう、良識ある行動が求められそうだ。