最新記事

ワクチン

ファイザー製を選り好み......身勝手なドタキャン問題化 カナダ

2021年5月27日(木)19時00分
青葉やまと

貴重な予約枠が当日キャンセルで無駄になっている

事実上、両ワクチンの効能に顕著な差異はなく、むしろ当日キャンセルにより接種時期が遅れるデメリットが大きい。しかし、依然として優劣があるとする噂が人々を翻弄し、予約枠を浪費する市民が後を絶たない。

これまでのところ幸運にも、こうした選り好みによって無駄になったワクチンはないという。しかし、当日キャンセルが公然と行われる現状を鑑みるに、予約制度そのものの崩壊が懸念される。

グローバル・ニュースは、予約枠のひっ迫を報じている。州は接種対象者を18歳以上に拡大したが、ハミルトン市が確保するワクチンの絶対数が追いついておらず、希望者に対応できていない状態だ。

診療所によってはアクセス多数でシステムに障害が起きるほどとなっており、ワクチン予約は争奪戦の様相を呈している。また、市が用意する予約専用ダイヤルにかけても予約枠に空きがないと断られるケースが続出しており、混乱は増すばかりだ。予約を取れてもすぐにワクチンを接種できるわけではなく、接種日程は早くて2週間後、あるいはそれ以上先となる。

予約枠がこれほど貴重な存在となっているだけに、枠を勝ち取った一部の市民がその権利を直前で放棄する行為は、社会の反感の的となっている。こうした人々が何度も予約を取れば予約の総数が増え、善良なその他の市民の予約日が遅延する結果を招きかねない。

日本同様、複数の予約を掛け持ちする行為も横行する

ハミルトン市の出来事とは別に、カナダの一部地域では、複数の予約を重複して取る行為が問題となっている。カナダ中部の地方紙『レジーナ・リーダー・ポスト』は、すでに予約枠を押さえた人々がさらに1日でも早い接種日程を求め、2つ目、3つ目の予約を取っていると報じている。

2つ目の予約を取った時点ですでにある予約はキャンセルすべきだが、これを怠る人々が多く、結果として予約済みのはずの人が接種会場に姿を見せないという事態になっている。

複数予約を取ったうえで一部を無視する行為は、優先接種が始まった日本でもすでに問題になっている。似たケースが問題化していることを踏まえると、日本でもこの先、ワクチン銘柄の選り好み問題も起きかねない。貴重な予約枠を浪費しないよう、良識ある行動が求められそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル外相がソマリランドを公式訪問、ソマリアは

ワールド

日本との関係、対中関係と同じくらい重要=韓国大統領

ワールド

訂正-〔アングル〕長期金利27年ぶり高水準、10年

ワールド

イエメン分離派指導者が逃亡、リヤド行き便に搭乗せず
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが「手紙配達」をやめた理由
  • 4
    「見ないで!」お風呂に閉じこもる姉妹...警告を無視…
  • 5
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 6
    「悪夢だ...」バリ島のホテルのトイレで「まさかの事…
  • 7
    若者の17%が就職できない?...中国の最新統計が示し…
  • 8
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 9
    砂漠化率77%...中国の「最新技術」はモンゴルの遊牧…
  • 10
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中