最新記事

幼児教育

幼児期の英語教育に効果あり コツは歌と遊びと親子で楽しむこと

Learning the Fun Way

2021年5月29日(土)17時27分
村井裕美

■絵本で言葉のやりとりを

英語の絵本を読み聞かせるときは、英語や時には日本語も交えながら言葉を交わすといい。挿絵を指さしながら「What's this?」「How many?」「どれが好き?」と質問してみたり(質問や答えは日本語でもいい)、登場人物に「Hello!」と呼び掛けたり。何度も出てくる決めぜりふがあれば、一緒に繰り返すのも楽しい。

言葉のやりとりや反復ができるようになる2歳くらいからがおすすめだ。親が英語を読むのが苦手なら、朗読CD付きの絵本に頼り、合いの手を入れる役に回ってもいいかもしれない。

■英語ビデオは使い方次第

登場人物が英語で問い掛けをしてくるような英語番組なら、子供も参加できる。ただし、テレビの前に子供を放置するのは禁物だ。親も一緒になって歌を歌うなどの働き掛けが重要になる。

■海外旅行も効果的

1~2週間、親子でプチ留学をするのも悪くない。子供を現地のデイケアセンターに通わせれば「子供同士、嫌でも遊ばなければならない」状況が言葉の習得を促す。普通の家族旅行も効果はありそうだ。外国で話が通じる喜びを体験すれば、もっと学びたいという意欲につながる。

■英会話スクールは先生重視

英語教室へ通うなら、経験が豊かで子供の扱い方の上手な(そしてできれば日本語や日本人を理解している)ネイティブの教師を探すのがいい。教師との相性も鍵になるため、何度も体験学習に参加して選ぶべきだ。

◇ ◇ ◇

留意すべき点もいくつかある。まず、親子の日本語コミュニケーションを大切にすること。佐藤の研究によれば、4歳くらいまでは、日本語の発話量や語彙力が高い子供ほど英語を聞いて反復する能力も高いという。

高望みをしないことも重要だ。ネイティブみたいに英語を話すわが子の姿を期待するのは時期尚早。また、子供が一度覚えた英語を忘れても焦ってはならない。一度記憶に刻んでおけば、年月がたって英語を学習したときにその感覚がよみがえる。

親子で楽しむ幼児期の英語は、大きくなってもっと高度な英語を学ぶ時のための、基礎になってくれるだろう。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ベネズエラ同盟国がマドゥロ氏支持表明、米の石油タン

ワールド

ノーベル委、平和賞受賞のモハンマディ氏逮捕を非難 

ビジネス

英の暗号資産規制、27年10月から開始 財務省発表

ビジネス

欧州委、内燃エンジン車販売禁止撤回提案へ 独メーカ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中