北京五輪のボイコットを求める声明は、米議会で公聴会が開かれる前日の17日に発表された。米議会では18日に、北京五輪と中国の人権問題に関する合同公聴会が開かれる予定だ。また米国オリンピック・パラリンピック委員会は3月に、ボイコットをしても効果はなく、アスリートたちを傷つけるだけだと述べていた。

IOCは繰り返し、自分たちは政治に関与せず、「中立の立場」を維持しなければならないのだと主張してきた。スイスに拠点を置くIOCは、本質的にはスポーツ事業の運営組織であり、収入の約75%をテレビ放映権料から、さらに18%をスポンサー企業から得ている。IOCは、国連での発言権も持つ。

IOCのトーマス・バッハ会長は3月、中国の人権問題に関連して「我々は超世界政府ではない」と述べ、IOCとしての対応には限界があると述べた。

板挟みになるアスリートたち

中国外務省は北京五輪のボイコット論が浮上していることについて「スポーツの政治利用」だと批判し、ボイコットは「失敗する運命にある」と述べている。中国政府は、中国がウイグル人に対するジェノサイド(集団虐殺)を行っているとする訴えを否定している。

米国務省は3月に発表した報告書に、中国で過去1年間、新疆ウイグル自治区に暮らすウイグル人をはじめとする複数の少数民族に対して「ジェノサイドや人道に対する罪」が行われてきたと明記した。

テトンは、一部のアスリートが北京五輪のボイコットに反対している可能性があることは知っている。だがブラック・ライブズ・マター(黒人の命を軽んじるな)運動で勢いを得たそのほかの人々からは、ボイコットに賛同を得られると考えており、今こそ「真剣勝負」の時だと述べた。

「アスリートたちのことや、彼らが生涯をかけてやってきたことについて懸念を抱いている人が大勢いるのは確かだ」と彼女は述べ、こう続けた。「だが彼らをこのような苦境に立たせたのはIOCであり、責任を負うべきはIOCだ」

スキー競技で冬季五輪2回の金メダルを獲得しているアメリカのミカエラ・シフリンは、3月のCNNとのインタビューで、アスリートとしてのジレンマを語っていた。

「誰だって、人権やモラルと自分の仕事ができるかどうかのどちらかを選ばなければならないような立場には置かれたくない」と彼女は述べた。

北京との開催都市契約に人権保護は含まれず
【関連記事】