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気候変動「日米蜜月」の陰で米中が気候変動対策で協力
US, China To Cooperate On Climate Crisis
バイデン政権の気候変動問題担当として訪中したケリー特使 Kevin Lamarque-REUTERS
<排出量では世界ワースト1位と2位。何かと対立が目立つ両国が手を組む>
温室効果ガスの2大排出国であるアメリカと中国は4月18日、気候変動対策で協力していくとする共同声明を発表した。
ちょうど日本の菅義偉首相が訪米してアメリカのジョー・バイデン大統領と「親交」を深め、安全保障や人権問題で中国を非難していた頃、バイデン政権の気候変動問題担当のジョン・ケリー米特使と中国の解振華(シエ・チェンホア)特使が15〜16日に上海で行った会談を受けてのもの。今月22日からは、バイデン主催の気候変動サミットがオンライン方式で開催される予定だ。
共同声明で両国政府は「アメリカと中国は互いに、そして他の国々とも協力して気候危機への対策に取り組んでいく。気候危機には真剣かつ早急な対応が必要だ」と述べた。
会談では両国がともに排出量を削減することや、低炭素エネルギーへの転換に向けて発展途上国を資金面で支援することで合意。温室効果ガスの排出削減により、世界の平均気温の上昇を産業革命前から1.5度に抑えることも目標とされた。
2016年、世界の温室効果ガスの総排出量に占める割合は中国が最も多く26%で、アメリカは第2位で13%。第3位はEUで7.8%、第4位はインドで6.7%だった。
環境団体グリーンピース中国の李碩(リー・シュオ)は、両国間の努力を心強く思うと語った。
「(気候変動対策に関して米中が)協力していくという非常に明確なメッセージが打ち出された。上海での(両国特使の)会談以前には想定できなかったメッセージだ」と李はロイター通信に述べた。
両国ともに掲げる目標は意欲的
気候変動サミットには世界の40人の首脳が招待されている。参加国からは排出削減に向けたさらなる計画が発表される他、途上国への資金援助の表明が行われると見込まれている。
アメリカはバイデン大統領の就任初日に地球温暖化対策の枠組みであるパリ協定に復帰。バイデンは電気自動車業界の振興のため1740億ドルを、電力網の刷新のために1000億ドルを投じる計画を明らかにしたばかりだ。
またバイデンは、2014年以内に電力セクターの温室効果ガス排出をゼロにし、2050年には温室効果ガスの排出の実質ゼロを達成するとの目標を打ち出している。
また、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は昨年9月、2060年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると述べている。
世界各国の首脳は、気候変動問題へのさらなる真剣な取り組みが求められている。世界資源研究所によれば、世界の年間温室効果ガス排出量は1990年と比べて41%も増加している。
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