韓国系移民の共和党候補が「中国系移民はアメリカに来るな」と発言
Ex-Trump Official Rejects Chinese Immigrants, Says It's OK as She's Korean
暴力事件の増加には新型コロナウイルスを巡るトランプの中国敵視発言が関係しているとの見方もある。トランプは新型コロナウイルスのことを「中国ウイルス」などと繰り返し呼んだ。
WHOは政府機関や報道機関に対し、新型コロナウイルス感染症は「『武漢ウイルス』でも『中国ウイルス』でもなければ『アジアウイルス』でもない」として、特定の場所や民族の名を冠して呼ばないよう呼びかけてきた。COVID-19という正式名称も、特定の国や民族に結び付けられることがないように付けられた。
セリー・キムの発言に強く反発したのが、ヤング・キムとミシェル・スティールという2人のアジア系の共和党下院議員だ。先月初めに表明していたセリー・キムの立候補への支持表明も、2日に撤回した。
2人は声明で「韓国系女性として初の共和党下院議員になった者として、私たちはコミュニティに貢献したいと望むアジア・太平洋諸島系(AAPI)の仲間たちを応援し、引っぱり上げたいと思っている」と述べた。
「セリー・キムの中国系移民に関する有害で事実に反する発言については、受け入れられないと本人にはっきり伝えた。AAPIコミュニティに対するヘイト(憎悪)が深刻化している時期でもあり、謝罪して発言の意図を明確にするよう強く求めた」と2人は声明で述べた。
「にもかかわらず、彼女は公の場で反省の意を示していない。また、彼女の発言は私たちが大切に思うものとは正反対だ。私たちは良心に照らし、彼女の立候補を支持しつづけることはできない。私たちはAAPIコミュニティへの支持を表明し続けるだろう」
当人は発言撤回はせず
2人は4月1日、CNNに対し声明でこうも述べている。「セリーの発言は受け入れがたく有害だ。(AAPIの)コミュニティを狙ったヘイトが増加している時であればなおさらで、そのことを今日、本人にはっきり伝えた」
「中国系アメリカ人、そしてすべてのアジア系アメリカ人はアメリカ人であり、日々、社会に貢献している。これまでも言ってきたが、アジア人やアジア系アメリカ人に対する差別や暴力は終わらなければならない。新型コロナは(人種や民族を)分け隔てたりはしない。いかなる人種やいかなる民族集団のいかなるアメリカ人もウイルスが広がったことに責任はない」と2人は述べている。
当のセリー・キムは31日、CNNに対し、発言は「中国共産党に向けたもので、アジア系アメリカ人、特にこの圧制的な体制から逃げてきた中国系移民に向けたものではない」と自己弁護した。またキムは、発言を撤回するつもりはないとも述べている。
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