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米ロ関係米、ロシア外交官国外10人追放 大統領選介入やサイバー攻撃で制裁
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米政府は15日、ロシアによる昨年の米大統領選への介入やサイバー攻撃など「悪質」な活動に対する報復として、包括的な制裁措置を発動した(2021年 ロイター/Anton Vaganov)
米政府は15日、ロシアによる昨年の米大統領選への介入やサイバー攻撃など「悪質」な活動に対する報復として、包括的な制裁措置を発動した。
米財務省は、昨年の大統領選への介入に絡み32団体・個人を制裁対象に指定。さらに、2014年のウクライナ南部クリミア半島編入とその後の抑圧に関与した8団体・個人にも制裁を加えた。
これに合わせて、バイデン大統領はロシア経済のあらゆる部門に制裁を科す大統領令に署名。米国の金融機関は6月14日以降、発行市場においてルーブル建てロシア国債の取引が禁止される。一方、流通市場での取引は禁止対象に含まれない。
この他、ホワイトハウスは、米政府機関に対するサイバー攻撃にロシア対外情報局(SVR)が関与したと断定。情報当局者を含め外交官10人を国外追放すると発表した。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はCNNテレビのインタビューで、今回の制裁が「ロシアの有害な行動から米国の利益を守るための措置」であると説明。同時に「バイデン大統領の目的は重要かつ信頼ある対応を提供することであり、状況をエスカレートさせることではない」と述べた。
ホワイトハウスのサキ大統領報道官も「われわれの目的は状況をエスカレートさせることではなく、ロシア政府による容認できない行動に対してコストを課すことだ」と強調した。
バイデン大統領は「私の結論はこうだ。ロシアとの協力は米国の国益になる。われわれはそうすべきであり、そうしていく」とした上で「ロシアが米国の国益を損なおうとした場合、米国は対応する」と表明。
「さらに制裁を加えることもできたが、そうせず、相応の対応にとどめた」とし、ロシアに緊張緩和を呼び掛けた。
ロシア外務省は、米国の制裁が両国関係を危険にさらすものだと反発。サリバン駐ロ大使を呼び出し抗議するとした上で、近い将来、対抗措置を講じる予定で、首脳会談の実現も危ぶまれると表明した。
カーネギー国際平和財団のアナリスト、アンドリュー・ワイス氏は、今回の制裁が直ちに両国関係に変化をもたらし、長期的にロシアを抑止するものとは考えにくいと指摘。ロシアが一定の分野で協力の意思を示すとしても、ウクライナや選挙介入の問題で意見の一致を見ることはないだろうとし、「新たな制裁措置がロシアの思惑を根本的に変えると期待するのは現実的でない」と話した。
*バイデン米大統領のコメントを追加しました。
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