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アストラゼネカ製ワクチン、デンマークなど副反応めぐり接種中断 血栓との関連を調査

2021年3月12日(金)11時28分

英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン接種後に血栓ができる事例が報告されたことを受け、デンマーク、ノルウェー、アイスランドは同ワクチンの接種を一時中止した。写真は2020年9月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン接種後に血栓ができる事例が報告されたことを受け、デンマーク、ノルウェー、アイスランドは11日、同ワクチンの接種を一時中止した。

オーストリアは副反応の可能性がある症例の調査を実施する間、特定のバッチ番号のアストラゼネカ製ワクチンの使用をすでに停止。このほか関係筋の話で、イタリアで男性2人がアストラゼネカ製ワクチンの接種後に死亡したことを受け、当局が特定のバッチ番号の同ワクチンの使用差し止めを命じたことも明らかになった。

オーストリアの事例では、1人が多発性血栓症を発症し、接種から10日後に死亡。もう1人が肺塞栓症で入院した。これについて欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は10日、現時点でワクチンとの関連性を示す証拠は見当たらないとする声明を発表している。

EMAによると、エストニア、リトアニア、ラトビア、ルクセンブルクも、調査実施中は特定のバッチ番号のアストラゼネカ製ワクチンの使用を停止した。このバッチには100万回分のワクチンが含まれており、EU加盟国のうち17カ国に供給された。

デンマークの事例では、60歳の女性が接種後に血栓症を発症し死亡。この女性はオーストリアで利用されたものと同じバッチ番号のワクチンの接種を受けていた。これを受け、デンマーク当局はアストラゼネカ製ワクチンの接種を2週間中止した。

イタリアの事例では、43歳の男性が接種の翌日に心臓発作とみられる症状で死亡したほか、50歳の男性が接種から約12日後に死亡。地元の新聞によると、50歳の男性は接種後24時間以内に具合が悪くなり、深部静脈血栓症と診断され、その後に脳出血を発症した。2人ともバッチ番号「ABV2856」の接種を受けていたという。

アストラゼネカはロイターに対し、ワクチンの安全性は臨床試験(治験)で十分に確かめられていると表明。同社はこれまでに「ワクチンに関連する深刻な副反応は確認されていない」としている。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長とイタリアのドラギ首相もこの日、アストラゼネカ製ワクチンが血栓症発症に関連しているとの証拠はないとの見解を表明。ただフォンデアライエン委員長は、EU当局が一段の調査を進めていることを明らかにした。

[ロイター]


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