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ブラックホール無数の星? いいえ、白い点はすべて超大質量ブラックホール 星図が作成される
北の空に広がる2万5000個以上の超大質量ブラックホールを表す星図が作成された LOFAR/LOL Survey
<欧州9カ国52カ所の数千もの小型アンテナからなる世界最大級の電波望遠鏡「LOFAR(低周波電波干渉計)」とスーパーコンピューターを用いて、超大質量ブラックホールを表わす星図の作成に成功した...... >
銀河系を含め、ほぼすべての銀河の中心には、太陽の100万倍以上もの質量を有する超大質量ブラックホール(SMBH)が存在すると考えられている。このほど、北の空に広がる2万5000個以上の超大質量ブラックホールを表す星図が作成された。
ブラックホールに巻き込まれた周りの物質によって、電波が放出
蘭ライデン大学らの国際研究チームは、オランダ、ドイツ、フランス、英国など、欧州9カ国52カ所の観測所に設置された数千もの小型アンテナからなる世界最大級の電波望遠鏡「LOFAR(低周波電波干渉計)」と独自に開発したアルゴリズム、スーパーコンピューターを用いて、2万5247個の超大質量ブラックホールを表わす星図の作成に成功した。一連の研究成果は、学術雑誌「アストロノミー・アンド・アストロフィジックス」に掲載される予定だ。
この星図で示されている白い点は、一見、無数の星のように見えるが、実際は、超大質量ブラックホールである。ブラックホールに巻き込まれた周りの物質によって、電波が放出される。
低周波な電波を用いた「LOFAR」による地上からの観測では、地球を取り巻く電離層の影響を避けられないのが課題であった。電離層が「LOFAR」を絶えず横切り、曇ったレンズのような作用をもたらす。
研究論文の共同著者でライデン大学のレイナウト・ファン=ウィレン准教授は、この状況を「プールの中に潜った状態で、外を見上げるようなものだ」とたとえる。プールの中から見上げると、水の波によって光が屈折し、視界が歪む。
今回作成された星図は、北半分の空の4%
そこで研究チームは、電離層による歪みを4秒ごとに修正する新たなアルゴリズムを実装したスーパーコンピューターを用いて、256時間にわたる観測データを統合し、星図を作成した。
研究論文の責任著者でヒュップ・ロッテリング教授は「長年にわたるソフトウェア開発の末、これがとてもうまくいったことを確認できて嬉しい」と研究成果への喜びを語っている。
今回作成された星図は、北半分の空の4%を網羅している。研究チームでは、今後、この手法を用いて、北半分の空をすべてまとめた星図を完成させる方針だ。
A Sky Map of 25000 Supermassive Black Holes