最新記事

韓国社会

韓国、コロナ感染急増が生み出した「モンスター」地下駐車場運動族

2021年2月23日(火)16時30分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

韓国のマンション地下駐車場に夜な夜な出没する「モンスター」地下運動族 말왕TV / YouTube

<フィットネス大好きな韓国で、コロナ対策でジムが使えなくなった人びとの取った行動とは?>

韓国ではジム好きな人が多い。以前、韓国人の友人になぜか尋ねたところ、健康のためでもあるが、男性の場合せっかく軍隊で鍛えた筋肉なのに落ちていくのが嫌だから。という答えが返ってきて妙に納得した覚えがある。

ジムに通うのは何も若者だけではない。近所の健康センターにもジム施設があり、老若男女筋トレだけでなく、ヨガやズンバなどの教室に安価で参加できる。

また、公園にも簡単なフィットネス器具が置かれている場所があり、公園での運動を「コンスジャン」、山に設置されている運動器具場所を「サンスジャン」と呼ぶそうだ。ちょっと散歩に出ながら、機具で汗を流せる。登山の最中にまで運動をする。一体どれだけジムが好きなのだろう。

ところが、その大好きなジムが新型コロナウィルス感染拡大で使用禁止になってしまった(※現在は営業時間の制限付きで再開中)。このジム使用禁止期間中、エクササイズ好きの人びとは一体どこへ行ったのか?

ウイズコロナのエクササイズ「駐車場運動族」

韓国は、このコロナパンデミックで様々な新しいものを生み出したが、感染拡大から1年、新しく登場したのが「駐車場運動族」だ。

これは、文字通り「行き場を失ったエクササイズ好きの人びとが、マンションの地下駐車場で人知れず運動をすること」である。

韓国では1月大雪に見舞われ、外出が億劫になった人たちもこれに参加し、駐車場運動族が注目され、ニュースでも取り上げられるようになり、駐車場運動族人口がさらに増えたようだ。

駐車場の中とはいえ、ランニングや、ウォーキング、縄跳びなど基本的な運動はもちろん、ちょっとした段差を使って足の筋トレ、壁を利用した逆立ちなど工夫して体を鍛えている。さらに自分の車に機具を取り付けて本格的な筋トレに励む強者まで登場した。

とはいっても、駐車場での本来の目的は、車の駐車である。車が行き交う場所で駐車場運動族がウロウロしていては危ない。しかも同じ場所に留まって運動するのではなく、走り回るジョギング系駐車場運動族は、車の往来に注意が必要だ。そこで、マンション住民が寝静まった夜中12時以降に駐車場でジョギングを開始する「駐車場ヤギング(夜+ジョギング)族」なる言葉も誕生している。

こうなると、駐車場運動族に注意喚起する声も上がっている。そもそも、マンションの駐車場は地下に作られていることが多く、換気が悪い。そんな場所でエクササイズをすれば、車の排気ガスを吸い込んでしまい、逆に健康には良くないというのだ。確かに、地下駐車場では独特の排気ガスのにおいと重い空気を感じることが多い。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪、米から超音速ミサイル購入へ 国防支出へのコミッ

ビジネス

物価目標の実現は「目前に」、FRBの動向を注視=高

ビジネス

FRB監督・規制部門責任者が退職へ、早期退職制度で

ビジネス

午前の日経平均は小幅続落、売買交錯で方向感出ず 米
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索隊が発見した「衝撃の痕跡」
  • 3
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 4
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 5
    米軍が「米本土への前例なき脅威」と呼ぶ中国「ロケ…
  • 6
    熱中症対策の決定打が、どうして日本では普及しない…
  • 7
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 10
    「22歳のド素人」がテロ対策トップに...アメリカが「…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中