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テレワークでの仕事満足度が、年代によって大きく異なる理由

2021年2月12日(金)10時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

次に知りたいのは、テレワークに変わったことで働き手の意識にどういう変化が起きているかだ。「通勤地獄から解放された」「マイペースで仕事ができる」というプラスの声もあれば「孤独を感じる」「労働時間に際限がなくなった」というマイナスの声も聞かれる。在宅の自営業が長い筆者にすれば、後者はよく分かる。

コロナの影響で100%テレワークに変わった696人(<表1>の1の選択者)を取り出し、感染症拡大前と拡大後で、仕事の満足度がどう変わったかを比べてみよう。上記調査のQ43では、感染症拡大前と拡大後に分けて、仕事の満足度を10段階(0~10点)で問うている。696人の平均点を出すと、拡大前が5.95点、拡大後が5.32点となる。ほぼ全面的にテレワークに移行したことで、仕事の満足度が下がっていることが分かる。先ほど書いたメリットとデメリットを天秤にかけたら、後者の方が大きいのだろうか。

ちなみに仕事の満足度の低下幅は、年齢層によって異なる。上記の696人を10歳刻みの年齢層に分け、感染症拡大前と拡大後の仕事満足度の平均点を計算した。<図1>は、結果を折れ線グラフで視覚化したものだ。

data210212-chart02.png

どの年齢層でも感染症拡大後、テレワークに100%移行したことで、仕事満足度は落ちている。低下幅は高齢層ほど大きく、20代では0.12だが、50代は0.99、60代では1.53も満足度が低下している。折れ線の型も変わっていて、拡大前では中高年層で高かったのが、拡大後はおおむね若年層ほど高くなっている。

興味深い変化だ。高齢層は情報機器の扱いに不慣れなので、テレワークに馴染みにくいのだろう。決済なども省略されているので、自分がいなくても部下だけで業務が進められていく様子を見て、自分の存在意義の低さを感じているのかもしれない。いみじくもSNS上では、「テレワークは、仕事しないおじさんを可視化する」と言われている

対面での接触が制限されるなか、おじさんがコミュニティでつるみにくくもなっている(「コロナ禍で『おじさんコミュニティ』が崩壊,女性管理職が増える好機に」弁護士ドットコムニュース、2021年2月7日)。職場では内輪の「なあなあ」の主観ではなく、客観的な評価基準を入れざるを得なくなってきている。記事タイトルにあるように、おじさんのコミュニティからはじかれていた女性の管理職が増える好機とも言えるだろう。

コロナ禍による働き方の変化は、長らく続いてきた因習を一掃するよい機会でもある。

<資料:内閣府「新型コロナウィルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」

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