韓国メディアが連日報道、米日豪印「クアッド」に英国参加の意向
韓国紙、日英同盟復活と報道
韓国・朝鮮日報は日英同盟が復活と報じている。日本と英国は1902年、ロシア帝国の極東進出に対抗し、また日本が英国の中国における権益を認め、英国が日本の朝鮮半島の権益を認める日英同盟を締結した。
英国は2月1日、日本が主導する環太平洋パートナーシップ協定CPTPPへの参加を申請した。また、最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中核とする部隊を日本の南西諸島周辺に長期派遣を予定し、英国と米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが機密情報を共有する「ファイブ・アイズ(Five Eyes)」に日本が参加して「シックス・アイズ」に感編することを望んでいる。ブレグジットで脱退したEUとの葛藤が高まるなか、日本との連携を通じてインド・太平洋地域での存在感を高め、国際的な影響力を挽回したい英国と安保・経済両面で中国を牽制する友軍を獲得したい日本と利害が一致した。
クアッドに英国が加わって、「クインテット(5人組)」に拡大すると、アジア・太平洋地域における韓国の立場が一層弱まるという見方が浮上している。
米英関係は特別であり、日本と英国は日英同盟を締結した歴史がある。オーストラリアは英連邦に属しており国家元首は英国王だ。インドはかつて英国の植民地で、旧日本軍の援助を経て独立した。クアッドの4カ国中、日本を除く3カ国は韓国より、むしろ英国との関係が深い。
韓国メディア各社が連日クアッドの動向を報道
トランプ前政権は、クアッド・プラス構想で韓国の参加を示唆したが、参加を公式に打診することはなかった。親中、親北を推進する文在寅政権が拒絶すると、米韓関係に亀裂が生じて、北朝鮮の非核化推進に影響が出る懸念があった。
李明博政権下で国防部長官の政策補佐官を務めた申範澈(シン・ボムチョル)氏は、メディアのインタビューで米韓同盟を基盤とし、韓国が早期にクアッド参加を米国に打診すべきだと主張した。
申氏は韓国がクアッドに加盟した上で、事案によって参加・不参加を決めれば、中国に対する韓国の価値は上昇するが、韓国が「非クアッド国」なら、中国は韓国に圧力を加える可能性があり、韓国の影響力を広げるため積極的な態度が必要、と指摘する。
サリバン米国家安保補佐官が、クアッドの継承と拡大に言及した1月31日以降、韓国メディア各社が連日、日米英などクアッドの動向を報道するなか、韓国政府は沈黙を守っている。