最新記事

環境

バイデン、気候変動対応へ大統領令 外交・国家安全保障の柱に

2021年1月28日(木)09時16分

バイデン米大統領は27日、気候変動への対応に向けた複数の大統領令に署名した(2021年 ロイター/KEVIN LAMARQUE)

バイデン米大統領は27日、気候変動への対応に向けた複数の大統領令に署名した。グリーン政策の推進が経済に恩恵をもたらすと強調し、国有地における新たな石油・ガス鉱区のリース権付与を停止するほか、化石燃料補助金を廃止する。

気候変動対応を米外交と国家安全保障の柱とする大統領令にも署名した。化石燃料を重視し、環境規制を緩和したトランプ前大統領の政策から路線を大きく転換する。

バイデン大統領は「気候を巡る危機に対処するまで時間がかかり過ぎたと感じている」とし、「小規模な措置を実施している時ではない。大胆になる必要がある」と表明した。

さらに「気候変動への答えについて考えるとき、私の頭をよぎるのは雇用だ」とし、最新かつ弾力性のある気候関連インフラの整備やクリーンエネルギー推進によって、高報酬で労組に守られた数百万の雇用創出につながるとの認識を示した。

大統領令の下、国有地・水域での新たな石油・ガス鉱区のリース権付与が停止される間、既存のリースに加え国有地・水域における化石燃料の開発許可に絡む慣行について「厳格な見直し」が実施される。

さらに2030年までに、野生動物の保護に向けた国有地・水域の30%保全や再生可能エネルギー産出量の倍増を目指す。

気候変動担当のケリー大統領特使は、温室効果ガス排出量問題を巡り、米国が中国と連携する見通しとしつつも、この問題を進展させるために他の主要懸案で駆け引きすることはないと言明した。

米エネルギー大手ヘスは、バイデン氏の気候変動対応が雇用やエネルギー安全保障に及ぼす影響に留意すべきとの認識を示した。

また、民主党上院トップのシューマー院内総務は、気候変動に関する国家非常事態を宣言すべきと、バイデン大統領に求めた。

国防総省は同日、軍事演習などに気候変動リスクを考慮すると表明。オースティン国防長官は声明で「国防総省は軍事活動やリスク評価において気候変動を優先的に考慮する適切な政策措置を直ちに講じる」とし、気候変動リスクの分析を軍事演習や新たな国家防衛戦略などに組み込むとした。

*内容を追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 教養としてのミュージカル入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月17号(3月10日発売)は「教養としてのミュージカル入門」特集。社会と時代を鮮烈に描き出すポリティカルな作品の魅力[PLUS]山崎育三郎ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈祷」を中国がミーム化...パロディ動画が拡散中
  • 4
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 5
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 6
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 7
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 8
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中