最新記事

中国メディア

トランプの「置き土産」に反発する中国メディア

Chinese Media Attacks American 'Selfishness'

2020年12月28日(月)18時10分
デービッド・ブレナン

「アメリカの現政権はかつて、アメリカ製の新型コロナワクチンはアメリカ人に『最優先で』接種させると公言した」と社説は指摘。次に来るのは同盟国だろう。「では、発展途上国(の順番)はいつ来るのだろう」

「ワクチンが途上国の国益と安全保障を守る砦になりうるのは、ワクチンの(開発・販売)競争によって、アメリカが自分勝手に決めた(ワクチンの)使用順序が打破された場合だけだ」

また「ワクチンの役割は、戦闘における爆撃機や戦車のようなものだ」とし、ワクチンを手にし、コントロールするのが誰かによって、「将来、パンデミックに対抗する形は大きく変わるだろうし、今日では予測不可能な結果も招きかねない」と指摘した。

人民日報は、諸外国で中国の外交政策が戦闘的な「戦狼外交」だという呼称で問題視されている件について「誹謗中傷」だと異議を唱えた。

「『戦狼外交』は『中国脅威論』の新たなバージョンで、中国を「悪魔」のように描き、中国の外交努力を歪曲する新たな方法と言える」と同紙は主張した。

「中国外交はもっと声を上げるべき」

「その目的は、中国外交に負のレッテルを貼り、真実を知らない外国の人々を中国を憎むように仕向けることだけではなく、善悪をわきまえずアメリカをほめたたえる『知識人』を支援し、中国の立場をおとしめ、中国の精神をくじくことでもある......誹謗中傷を前に、中国外交はもっと声を上げて主張しなければならない」

中国はジョー・バイデン次期アメリカ大統領がどんな路線を取るか注目している。バイデンはトランプほど対立的な姿勢は取らないと見られるが、一方で同盟国との連携を強化して中国を抑え込み、貿易や人権問題、周辺国との領土紛争においても中国の問題行動にブレーキをかけようとするだろう。

トランプの任期はまもなく終わるが、対中問題は今後も長きにわたってアメリカ外交の大きな課題であり続けるだろう。中国の権威主義的行動はその強力な経済成長や技術的な進歩を背景にさらに脅威を増しており、これを抑え込む必要があるという意見では米政界も党派を超えて一致している。

12月に入り、中国の王毅(ワン・イー)外相はバイデンに、中国と協力し、紛争(王いわく、米中両国のみならず全世界にとっての『災厄』)を回避するよう呼びかけた。

「紛争ゼロ・対立ゼロ・相互の敬意・互恵的な協力の原則の下で」と王は述べた。「中国は協調と協力、安定に根ざした対米関係の発展に力を入れている」

ニューズウィーク日本版 BTS再始動
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月7号(3月31日発売)は「日本企業に迫る サステナビリティ新基準」特集。国際基準の情報開示や多様な認証制度。本当の「持続可能性」が問われる時代へ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ASEAN首脳会議、予定通り5月開催 内容は最小限

ビジネス

中東緊迫化、利上げに前向きな意見相次ぐ 基調物価の

ビジネス

シティ、米地銀買収検討との報道否定 「有機的成長に

ビジネス

短期金利が適切に調整されず、物価上振れと市場認識な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中