最新記事

日本社会

三浦春馬さんへの「遅すぎた称賛」に学ぶ「恩送り」と「ペイ・フォワード」

2020年9月3日(木)17時45分
木 隆志(コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者) *東洋経済オンラインからの転載

あらためて、みなさんにすすめたいのは、「有名人や周囲の人々への称賛は倍に、批判は半分に、誹謗中傷はゼロに」というコミュニケーションスタンス。ネットが発達した今、有名になるほど、あるいは接触頻度の高いコミュニティほど、本人に厳しい声が伝わりやすいため、これくらいの割合がちょうどいいのです。

今もネット上には、「春馬くんを見られるとうれしいけど、心が苦しくなる」「春馬くんを見られる番組が減っていくのが本当に寂しい」「春馬くんを思わない日はないし、日に日に愛しさが強くなっている」「毎日、春馬くんの情報を探してコメントもたくさん読んでしまう」「このドラマが終わったあと本当にお別れのような気がして怖い」などの悲痛な声が上がっています。

いつ大切な人がいなくなるかは予測できない

「1人の俳優が亡くなっただけ」と他人事の人もいるでしょうが、いつ自分の大切な人がいなくなってしまうのか、予測できないのが人生。家族、友人、知人、恩師、有名人......いずれにしても、喪失感や後悔の念に苦しめられないために、日ごろのコミュニケーションが重要なのです。

最後にふれておきたいのは、人々の悪意を増幅させるメディアの報道について。多くのメディアが部数やページビューを伸ばすために、人々の悪意を引き出すような記事で興味を引き、有名人たちを悩ませ続けてきました。しかし、そんな報道姿勢が人を深く傷つけ、ときに命を奪うことにつながりかねません。さらに、「さんざん悪意むき出しでたたいておきながら、いなくなったとたん悪意の矛先を別の誰かに変える」というイジメのような報道も見かけます。

ネットメディアが一斉に報じ、SNSで一気に拡散されるなど、1つの記事が個人の人生を左右しやすい時代になりました。だからこそメディアは、人々の悪意を引き出すのではなく、凶悪犯以外は性善説をベースにした報道をしてほしいところです。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。元記事はこちら
toyokeizai_logo200.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国最高裁、カナダ人男性の死刑判決覆す カーニー首

ワールド

トランプ氏の薬品割引サイト、開始時点で肥満治療薬以

ビジネス

訂正(発表者側の訂正)-為替市場で一方向な動き、今

ワールド

インド・マレーシア首脳会談、貿易拡大や協力強化を再
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 5
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 6
    背中を制する者が身体を制する...関節と腱を壊さない…
  • 7
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 8
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 9
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 10
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中