過激演出で話題のドラマ、子役2人が問題行動で炎上 背景には韓国の国民性も?
女性嫌悪を表すイラストをSNSに
ところが、その数日後、今度は主人公夫婦の息子ジュンヨン役を演じた14歳の子役チョン・ジンソがターゲットとなった。オンラインサイトに、チョン・ジンソが過去SNSに投稿したイラストと友達同士の会話のキャプチャー画像が投稿されたのだ。そのイラストとは、中指を立てた男性が「女性は皆消えてください」と言っている絵である。
これは、極右思想や女性蔑視などがはびこる過激なオンラインサイトでばら撒かれていた、女性への敵愾心を表したイラストだった。「女性なら誰でもよかった」という衝撃的な"女性嫌悪"で、通りがかりの女性を殺害した2016年の江南駅通り魔殺人事件。この事件がきっかけとなって韓国におけるフェミニズム意識が高まりを見せたが、そんな女性たちに反感をもった一部の男性がさらにフェミニズム嫌悪を主張し始め、このようなイラストが拡散されるようになったのだ。
チョン・ジンソの所属事務所は、謝罪と共に「当時オンラインで出回っていたイラストを投稿しただけで、彼は該当のイラストの象徴性も内容の意味も分かっていなかった」と説明したが、批判の声は相次いだ。
このように、韓国ではここ数年、"男性VS女性"のような図式の対立が目立つようになり、子役たちも知らず知らずのうちにその流れに乗ってしまっていることがある。
あの「n番部屋」事件に言及しての炎上も
最近では、15歳になるミュージカル子役キム・ユビンが、n番部屋事件に関連して、「韓国の男性が全員n番部屋に加入していると思うなよ」という内容を、乱暴な言葉と女性蔑視の単語でFacebookストーリーに投稿し批判を浴びた。キム・ユビン側はその後謝罪文を発表、SNSを非公開にしてしまった。
さらに、ジェンダーについての子役問題では、このようなケースもあった。Netflixで世界配信中の韓国ケーブル局tvNのドラマ『ハイバイ、ママ!』で、5歳の子役ソ・ウジンは、性別は男の子なのにもかかわらず、女の子役として出演していた。愛らしい容姿に加え、母親役のキム・テヒの幼少期にそっくりだということが理由だった。
ところがこの事実が明るみになると、インターネット上では、「今後の性のアイデンティティに影響が出る可能性がある」「そこまでして役が欲しいのか。子供がかわいそう」など、ソ・ウジンの両親に対して批判が集中。母親がSNSを通じて、本人と話し合ったうえで決めた経緯など説明し、批判をやめてほしいと訴えている。