最新記事

新型コロナウイルス

感染者数2位のニュージャージー、医師である弟から届いたマスクの写真

2020年5月2日(土)16時45分
トニー・ラズロ(ジャーナリスト)

答えは、是。実はアメリカの病院に数多く転がっているあるものを使えば、N95に負けないような優れたマスクが作れることが分かった。そのすごいものとは、手術器具とトレイの間に敷かれる布だ。豊富にあるこの素材を2枚重ねにすれば、N95に取って代わるマスクが出来上がる。

報道によれば、この発案によって作られたDIYマスクは微粒子の実に99%以上を捕集できているという。名前を付けるならば、N99になる!

適切な生地が見つかったところで喜ぶべきだけれど、忙しい医療関係者は必要なマスクを自分で作るだけの時間がない。そこで、多くの市民が病院のスタッフに代わって、マスク作りに取りかかっている。ピンチから切り抜ける「マクガイバー」式対策だ。

「不幸中の幸い」と言えばちょっと大げさかもしれないが、この話を聞いて私は少し楽観するようになった。

新型コロナウイルスを敵に、医師や看護師を味方の兵隊に例えるなら、防護具が鎧になる。このマスク作りを通じて、兵隊に守られる市民が自らの手でその兵隊に鎧を着せているというわけだ。戦の際にはそうでなくちゃ。

「兵隊」の兄としてはほっとするニュースだ。弟には伝染るなよ、コロナめ!

【参考記事】コロナ「出口戦略」の鍵となる検査体制、どうすれば拡充できるのか?
【参考記事】「恐怖の未来が見えた」NYの医師「医療崩壊」前夜を記す日記
【参考記事】NY州調査、人工呼吸器装着の重症患者「90%近くが死亡」

[筆者]
トニー・ラズロ
ベストセラーとなったコミックエッセイ『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ、メディアファクトリー)の主人公。1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動する。著書に『ダーリンは外国人 ベルリンにお引越し』『英語にあきたら多言語を!――ポリグロットの真実』『手に持って、行こう――ダーリンの手仕事にっぽん』など。

20050512issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は続伸、一時500円超高 米株高や円安で

ビジネス

リオティント、通期利益は前年並み 鉄鉱石低迷も銅が

ワールド

トランプ政権、ICEの難民拘束権限を拡大

ビジネス

午後3時のドルは155円前半へ上昇、米景気が堅調で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 3
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 4
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 5
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 8
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 9
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 10
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中