最新記事

異常気象

オーストラリアなどの森林火災と気候変動の因果関係「疑いの余地なし」=英研究者

2020年1月14日(火)13時00分

英国の研究者チームは57本の科学論文を総説し、気候変動が全世界における森林火災のリスクを高めていることは「疑いようがない」と結論づけた。写真はオーストラリアの森林火災の衛星写真。2019年12月撮影(2020年 ロイター/EUROPEAN UNION, COPERNICUS SENTINEL DATA)

英国の研究者チームは57本の科学論文を総説し、気候変動が全世界における森林火災のリスクを高めていることは「疑いようがない」と結論づけた。豪政府は同国で続く深刻な森林火災について、地球温暖化との直接の因果関係を否定し、批判を浴びている。

同チームは、地球温暖化が原因で暑く乾燥した気候が世界で拡大し、森林火災が起きやすい環境を作っていると指摘。

研究者の1人、インペリアル・カレッジ・ロンドンのイアン・コリン・プレンティス氏は、気候変動と火災リスクの因果関係は「全く疑いようがない」と述べた。

「オーストラリアは目に見える形で気温が1度あまり上昇してきた。火災発生は温度の影響を大いに受けている」とトムソン・ロイター財団に語った。

豪州は世界の温室効果ガス排出量に占める割合が1.3%にとどまる一方で、国民1人当たりの排出量は米国に次ぎ世界第2位だ。

57本の論文の総説の共著者で英ハドレー気候予測センターの研究員、リチャード・ベッツ氏は「森林火災を呼ぶ気候は自然には発生しないが、気候変動の影響でより厳しく広範なものになっている」と分析。「世界の気温上昇を2度を十分下回る水準にとどめることが、異常な火災気象リスク増大の阻止につながる」とした。

[ロンドン 14日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200121issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国でパナマ籍船拿捕が急増、状況を注視=米連邦海事

ワールド

米政府のAI責任者が辞任表明、大統領諮問委に移籍へ

ワールド

中国、生徒の学業負担軽減策を発表 過剰な宿題禁止な

ワールド

政府が石炭火力の稼働率引き上げ、1年限定 ホルムズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 3
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRANG』に託した想い、全14曲を【徹底分析】
  • 4
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 5
    親の遺産はもう当てにできない? ベビーブーム世代…
  • 6
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 7
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「…
  • 8
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 9
    「予想よりも酷い...」ドラマ版『ハリー・ポッター』…
  • 10
    実は「ミュージカルはポリティカル」?...社会の闇を…
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 9
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 10
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中