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インドの抗議デモ、全土に拡大 国籍付与でイスラム教徒除外

2019年12月19日(木)11時00分

インドでイスラム教徒以外の不法移民に国籍を与える「国籍法改正案」に抗議する大規模デモが、全土に広がっている。写真は12月18日、ムンバイで撮影(2019年 ロイター/Francis Mascarenhas)

インドでイスラム教徒以外の不法移民に国籍を与える「国籍法改正案」に抗議する大規模デモが、全土に広がっている。デモ隊と治安部隊の衝突も起きており、治安悪化を警戒して当局が集会を禁止する州もある。

モディ政権は12月初旬に議会で可決された国籍法改正案について、バングラデシュ、アフガニスタン、パキスタンで迫害されてインドに入国したヒンズー教徒やシーク教徒、キリスト教徒など6宗教の信者に対応するためだと説明している。

ただ、全人口の14%を占めるイスラム教徒が対象外となっていることで、ヒンズー至上主義のモディ政権によるイスラム教徒への差別だと反発が強まっている。

首都ニューデリーのイスラム系大学「ジャミア・ミリア・イスラミア」では、抗議デモが発生。警官隊が大学に突入し、200人の学生が負傷した。

大学前にいたデモ参加者は「政府はわれわれ(イスラム教徒)を二級市民にしようとしている」と強く批判。周辺には数百人のデモ隊がプラカードやインド国旗を掲げながらスローガンを叫び、抗議活動をつづけた。

デリーのイスラム教徒が多く住む地域では18日に数千人規模のデモがあり、参加者が石やガラス瓶を投げるなど暴徒化したため、警官が空に向かって威嚇射撃を行った。

抗議活動が特に激化している北東部のアッサム州でも、複数都市で依然、大規模デモが行われている。

南部カルナータカ州では、抗議活動の激化を警戒して少なくとも3都市で当局が大規模集会の禁止した。州都ベンガルールには、ウォルマートやウーバー、インフォシスなど多国籍企業のオフィスが多数ある。

インドでは、イスラム教徒を排除する動きが一段と強まっている。政府は今年8月、イスラム教徒が多いカシミール地方の自治権はく奪を決めた。また、インド最高裁は11月、ヒンズー教とイスラム教が帰属をめぐって対立していた北部ウッタルプラデシュ州アヨディヤの聖地について、ヒンズー教寺院の建設を認める判断を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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■関連記事:インドが平和を捨てて宗教排他主義に走る


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