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COP2512月2日から国連気候変動会議COP25 各国対立する争点は何か
スペインの首都マドリードで12月2─13日、国連気候変動枠組み条約第2回締約国会議(COP25)が開かれ、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の実施ルールを詰める協議が行われる。写真は11日、山火事の煙で霞むシドニーの街並み(2019年 ロイター/Stephen Coates)
スペインの首都マドリードで12月2─13日、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が開かれ、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の実施ルールを詰める協議が行われる。
この問題を巡る争点をまとめた。
◎第6条
パリ協定第6条は、市場原理に基づく気候変動対策メカニズムのルールに関する条項。このルールは、温室効果ガス排出量の削減コストを軽減し、政府のコミットメントを高めるための世界的な排出量取引制度の土台となる。
第6条を巡る協議は3年以上前から続いているが、昨年の国連協議で合意形成に至らず、今年に持ち越された。
第6条は排出量削減の「二重計上」を避けるため「強固な計算方法」の導入を求めている。
二重計上は、ある国が他国の排出量削減を資金支援した際、その削減分を自国の排出削減量にも計上する場合に起こる。
この現象は、両国で削減量を二重計上できないようにする計算ルールを確立することで、回避できる可能性がある。
第6条には、市場メカニズムを用いる新たな制度も盛り込まれている。だが、一部の国は旧制度で得たクレジット(排出権)が失効しないよう、新制度への繰り越しを可能にすべきだと主張している。一方で、そうなれば安い排出権が大量に市場にあふれ、排出量削減の必要性が薄れると指摘する国々もある。
◎削減目標
科学者によると、既存の排出量削減目標は壊滅的な温暖化を回避できる水準にはほど遠い。各国は来年末までに目標を引き上げるよう迫られている。
具体的には、気候変動対策の資金を2020年までに年間1000億ドルとする既存目標額を引き上げ、その後にさらに増やしていく措置が含まれる。
今年9月の国連総会では各国政府から新規提案はほとんど出ず、企業、年金基金、保険会社、銀行などからの提案が相次いだ。
◎IPCCの1.5度特別報告
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は昨年、気温上昇を1.5度以内に抑えるには未曽有の変革が必要になるとする特別報告を発表したが、少数の経済大国が受け入れを拒否した。
報告書は気候変動の影響を最も受けやすい小さな島国の存亡に関わる内容とみなされれていたが、大国の拒否によって「水を指された」かたちとなった。
今年に入り、この報告書をパリ協定にどう組み込むかを巡って、一定の歩み寄りがあった。しかし、多くの国は、気温上昇を1.5度以内に抑えるとの目標が、パリ協定に今なお盛り込まれないでいることに失望している。
◎責任と補償
各国政府は気候変動が発展途上国に及ぼす影響に対処することで合意している。だが、責任や補償の詳細は未決定で、多くの、より貧しい国にとって争点となっている。責任や補償の仕組みがカバーすべき範囲――過去や将来の出来事も含めるか――についても、各国の意見が対立している。
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