最新記事

子育て

親に嘘をつかれた子は親に嘘をつく大人に? 調査結果

2019年10月29日(火)18時30分
松丸さとみ

矛盾したメッセージで子どもの信頼を損ねる

調査の主執筆者であるNTUのペイペイ・セトー准教授は、子どもに何かをさせたい時に、嘘をつく方が簡単だと思えるかもしれないが、親が子どもに「正直でいることが一番」と教えているにもかかわらず、自分が嘘をついて正直でないところを見せてしまうと、子どもに矛盾したメッセージを発することになると指摘。子どもの信頼する心を損ない、正直さを欠いてしまう可能性があると説明している。

また、親がつく嘘の種類によっても、子どもへの影響の度合いは異なるようだ。

子どもに言うことを聞かせるためにつく嘘(キャンディが欲しいとおねだりした子供に対し、「あのお店にはキャンディはないよ」など)と比べ、親の権力を行使するための嘘(「良い子にしないと、あんたを海に放り投げて魚に食べさせちゃうよ」など)の方が、子どもの心理的な問題を引き起こす可能性が高いとセトー准教授は説明する。

子どもに対して親が権力を使おうと嘘をつくことで、子どもは自主性を持ちにくくなったり、拒絶されたと感じたりする可能性もある。そのため究極的に、子どもの情緒面での健康が損なわれるのだという。

セトー准教授は、子育てで嘘をつくと、子どもが大きくなったときにネガティブな影響が出ることが今回の調査から示唆されたと話し、嘘をつく以外の方法を考えるよう促している。例えば、子どもの感情に理解を示す、情報を提供する、選択肢を与える、問題を一緒に解決するなどだ。

また今後の調査について同准教授は、嘘の質や、親が何を目的に嘘をつくのかなどを調べ、つくべきではない嘘のタイプが分かるようにしたい考えを示した。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

高市首相、応援演説で円安メリットに言及 米関税のバ

ワールド

米政府機関の一部が閉鎖、短期間の公算 予算案の下院

ビジネス

中国1月製造業PMIが50割れ、非製造業は22年1

ワールド

トランプ氏、労働統計局長にベテランエコノミスト指名
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 6
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 9
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中