パイロットも女性だけのフライトで、女子中高生をNASA見学へ その目的は?
男性が圧倒的に多い航空業界だが...... DELTA
<デルタ航空が「女性オンリー」のフライトで120人の女子中高生をNASAへ案内するツアーを行った......>
乗客乗員、管制官もみんな女性
米航空大手デルタ航空はこのほど、「女性オンリー」のフライトで120人の女子中高生を米航空宇宙局(NASA)へ案内するツアーを行った。航空業界におけるジェンダー・ギャップを埋めることを目指す「航空業界の国際ガールズ・デー」(10月5日)のイベントの1つだ。
デルタ航空によると、この女性オンリーのフライトは、「Women Inspiring our Next Generation」(次世代に刺激を与える女性たち)の頭文字を取って「WINGフライト」と呼ばれている。2015年に始まり、今年で5回目。パイロットや乗務員のみならず、搭乗手続きを行う地上職員や管制塔で航空機に指示を与える管制官もすべて女性だ。
航空業界は男性が圧倒的に多いため多様性を高めること、そして「STEM」と呼ばれる科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Math)の分野でのキャリアに、女性が若いうちに触れられる機会を作ることが、WINGフライトの目的だとデルタは説明している。
今回のWINGフライトは、米西部のユタ州ソルトレイクシティから12〜18歳の女子中高生120人を乗せ、NASAのある南部テキサス州ヒューストンへ向かった。NASAでは、ミッション・コントロール・センター、ジョンソン宇宙センター、スペースセンター・ヒューストンなどを見学した。
女性宇宙飛行士とも対面
米ABCニュースによると、米連邦航空局の2017年のデータでは、米国のパイロット数61万人弱のうち、女性は約7%に過ぎない。航空士に至ってはゼロだ。デルタは、同社の全パイロットの中に女性が占める割合は5.4%としている。ただ過去4年間の新規採用については、7.4%に上昇したという。
米NBCの朝の情報番組トゥデイによると、今回ツアーに参加した女子中高生の中には、これまで一度も飛行機に乗ったことがない子もいれば、航空関係の学校に通い、すでに飛行機の操縦ライセンスを持ち、将来パイロットを目指すという子もいた。
NASA見学では、生徒たちは、宇宙飛行士のジャネット・エプス氏を含め、航空業界ですでに活躍している女性たちに直接会い、話を聞くことができた。
デルタによると、12年生(日本の高校3年生に相当)のケイトリンさんは、「航空業界の仕事は現実的じゃないと思っていたけど、今日は『私にもできる!』って思えた」と話した。また別の12年生、シャネイさんは、「成功した女性が達成したものを見ることができて楽しかった。彼女たちが培った成功から学び、そこを足場に私たちがさらに築いていけると思う」と夢を語った。