最新記事

温暖化

<動画>トランプを睨みつけるグレタ・トゥーンベリ鬼の形相

Greta Thunberg Staring Down Donald Trump Stirs Twitter: 'We Are All Greta'

2019年9月25日(水)17時05分
ジェシカ・クウォン

国連のロビーでトランプを見つけたトゥーンベリ Andrew Hofstetter-REUTERS

<昨年から世界中に崇拝者を増やし続ける16歳の環境活動家トゥーンベリ。いつもは淡々としたトゥーンベリが、国連の気候行動サミットでは涙ながらに世界の指導者の無策を責めた。彼女にとって、トランプはまさに悪魔の化身なのかもしれない>

9月23日、16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリが険しい表情でドナルド・トランプ大統領を睨みつけるGIF画像が、多くのツイッターユーザーを連帯させた。彼らは、「われわれはみなグレタ(We are all Greta)」というメッセージのもとに集結したのだ。

<参考記事>「気候変動が続くなら子どもは生まない」と抗議し始めた若者たち

国連のロビーにいたトゥーンベリがふと目を上げると、随行員と共に前方を通り過ぎるトランプがいた。トゥーンベリは蒼白になりながらその横顔を睨みつけた。

共和党の戦略立案者で政治コメンテーターのアナ・ナバロも、「わたしたちはみなグレタ」というメッセージと共にこのGIF画像をシェアしたツイッターユーザーの一人だ。


トランプは以前から、パリ協定を離脱するなど環境保護や温暖化対策に逆行していると批判されている。トゥーンベリの顔に浮かんだ表情は、トゥーンベリの怒りにほかならない。

トゥーンベリは23日、国連気候行動サミットで演説した。いつになく感情を露わにした演説で、気候変動に積極的に取り組まないことで若い世代の人々の期待を裏切っていると、世界各国の指導者たちを非難した。

トゥーンベリは、今後10年で温室効果ガス排出量を半分に減らすという国連の目標について、「気温上昇を摂氏1.5度未満に抑えることで、人類には制御できない、逆戻りできない連鎖反応を引き起こすリスクを抑えられる可能性は50%しかない」と指摘した。

「裏切れば許さない」

「あなたがたは、わたしたちの期待を裏切っている。若者たちは、あなたがたの裏切りに気づき始めている。未来の世代のすべての目は、あなたがたに注がれている」とトゥーンベリは結んだ。「あなたがたがわたしたちを裏切るなら、わたしたちは絶対にあなたがたを許さないし、逃さない。いま、この場所こそが、越えてはならない一線だ」

アントニオ・グテーレス国連事務総長が組織したこの気候行動サミットでは、アメリカをはじめとする複数の国が発言機会を与えられなかった。温暖化対策が不十分だったからだ。それにもかかわらずトランプは前触れもなくサミットに表れ、10分~15分で退出した。トゥーンベリの演説はまだ始まる前だった。

<参考記事>「環境ポピュリスト」小泉進次郎は、楽しくもセクシーでもない温暖化対策の現実を語れ

サミットに立ち寄った理由を尋ねられたトランプは、次のように話した。「わたしは、きれいな空気ときれいな水が必要だと強く確信している。すべての国が団結してこの問題に取り組むべきだし、独自にも取り組むべきだ。とても重要なことだ」

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 6
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 10
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中