最新記事

失踪事件

掘り返した王女2人の棺は「空っぽ」 バチカン少女失踪事件の謎深まる

2019年7月12日(金)16時30分

1983年にローマで発生したエマヌエラ・オルランディさん(当時15)の失踪事件に関連して、バチカン当局は19世紀の王女2人が埋葬されている墓を掘り返した。ところが棺の中は空っぽで、エマヌエラさん失踪の手がかりだけでなく王女の遺骨も見つからなかった Vatican Media/Handout via REUTERS

1983年にローマで発生したエマヌエラ・オルランディさん(当時15)の失踪事件に関連して、バチカン当局は19世紀の王女2人が埋葬されている墓を掘り返した。ところが棺の中は空っぽで、エマヌエラさん失踪の手がかりだけでなく王女の遺骨も見つからなかった。36年前に発生した少女失踪事件の謎は一層深まった。 

エマヌエラさん失踪事件は、発生当時から様々な憶測を招いていた。バチカン市職員の娘だったエマヌエラさんは、音楽のレッスンに出かけたまま帰宅しなかった。

様々な説が唱えられたが、どれも決定打にかけていた。2012年にも捜査の一環で、ギャング構成員の墓が掘り返されたが、何も見つからなかった。

昨年ローマにあるバチカン大使館の敷地内で人骨が発見され、エマヌエラさんの遺骨ではとメディアは色めき立ったが、DNA鑑定の結果、無関係とわかった。

バチカン当局の捜査がどのようにして、今回掘り返された19世紀の王女の墓に行き着いたのかは明らかになっていない。

だが家族によるとバチカン内部から送られたとみられる匿名の手紙が寄せられ、王女の墓を調べるよう記されていたという。

結局、手がかりは得られなかったものの、エマヌエラさんの家族はバチカンが墓の調査に応じたことを評価した。

「バチカンは今回初めて、最終的な責任が内部にある可能性を認めた」と、エマヌエラさんのきょうだい、ピエトロ・オルランディさんは述べた。「責任の所在が内部にある可能性を認めたからこそ、墓を掘り返したのだろう。数日前までバチカンは一切の責任を認めようとしなかった。」

事件当時、警察の捜査もバチカンが関与していた可能性を排除しなかった。その一方で、人身売買組織がエマヌエラさんを拉致した可能性も示唆していた。

[11日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 イラン革命防衛隊
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月24号(3月17日発売)は「イラン革命防衛隊」特集。イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランの天然ガス施設空爆、米と連携との

ビジネス

カナダ中銀、金利据え置き 原油高受けたインフレ圧力

ワールド

トランプ氏訪中、中国が延期で合意 早期に再調整=米

ワールド

高市首相が米国へ出発、「我が国の立場踏まえしっかり
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポリ」が中東へ
  • 4
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 5
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 6
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 7
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 8
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 9
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中