最新記事

動物

中国にいたパンダに石を投げる愚か者(再生1億回)

Tourists Throw Rocks at Giant Panda to 'Wake Animal Up'

2019年7月17日(水)15時15分
シェーン・クロウチャー

パンダは王様なのに(氷の上で暑さをしのぐパンダ、湖北省武漢の動物園) REUTERS/China Daily

<監視社会の中国で、「国宝」パンダに石を投げつけて目を覚まさせようとした中国人の動画が拡散。ツアーを催行した旅行会社も連帯責任を取らされる>

中国の北京動物園を訪れた観光客グループが、同園で飼育されているジャイアントパンダに石を投げる様子を映した動画が先週末、中国のソーシャルメディア微博(ウェイボー)に投稿された。

動画では、少なくとも1人の人物が、7歳のオスのパンダ萌大(モンダー)に石を投げている様子が確認できる。ジャイアントパンダは、中国では国の宝として手厚く保護されている。

香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、北京のタブロイド紙「新京報」の報道を引用し、オリジナルの動画は非難の声とともに1億回以上再生されたと伝えた。新京報の記事によると、石を投げたグループはその目的を「寝ているパンダを起こすためだ」と述べたという。

一方、中国政府系英字紙のチャイナ・デイリーは、北京動物園がこの一件について微博の公式ページで言及したと報じた。石を投げられた萌大の体調には問題はなく、通常通り餌を食べたり遊んだりしているという。

ツアー会社にも罰が

北京動物園はまた以下のように述べた。「当園では、監視係や飼育員が随時見回りを行い、毎日2回パンダの体調をチェックしている。今回はただちに警備員と飼育員を派遣し、萌大の状況をチェックし、すべて問題がないことを確認した」

チャイナ・デイリーによれば、北京動物園は今回の件を受けてジャイアントパンダの観覧施設を改修し、施設内のパトロールも強化するとしている。同園では来園者に対し、園内では節度を守り、動物に餌を与えたり物を投げたりしないよう呼びかけている。

また別の中国政府系英字紙グローバル・タイムズ(環球時報)によると、石を投げた観光客グループは西安市から来た団体客の一部で、今回の一件を受けて北京動物園には入場禁止になったと報じた。また、このツアーを手配した旅行会社も、一時的に同園に関連する業務の停止措置が取られている。

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、ガリウムやゲルマニウムの対米輸出禁止措置を停

ワールド

米主要空港で数千便が遅延、欠航増加 政府閉鎖の影響

ビジネス

中国10月PPI下落縮小、CPI上昇に転換 デフレ

ワールド

南アG20サミット、「米政府関係者出席せず」 トラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった...「ジャンクフードは食べてもよい」
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に1…
  • 10
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 10
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中