最新記事

中国

中国、5Gに営業許可証発行:米のファーウェイ攻撃が中国5Gを加速化

2019年6月10日(月)10時00分
遠藤誉(筑波大学名誉教授、理学博士)

2019年3月31日、独ハノーバーで開幕準備をするモバイル見本市会場  Fabian Bimmer-REUTERS

6月6日、中国政府の工信部は5G営業許可証発行を発布。イギリスは初めての5G生放送の中でファーウェイ設備に焦点。トランプ政権のファーウェイ攻撃が中国の5G商業化を加速させている。

5G営業許可証発行と4社にライセンス

中国中央行政省庁の一つである工信部(工業と信息化部)(=工業情報化部)は6月6日、「5G営業許可証を発行する」と発表した。中国の中央テレビ局CCTVが伝え、多くの他の中国メディアも詳細に伝えている。

それらによれば、営業許可証の申請を出したのは「中国電信(チャイナ・テレコム)、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)、中国広電(国家新聞出版広電総局)」の4社で、この4つの通信事業者が先ずライセンスを得た。

それに対して多くの内外の企業が対応する意思を表明したと中国メディア(上記リンク先など)が伝えた。

●ZTE(中興):5G営業許可証の発行は、わが社に多くの発展のチャンスをもたらし、新しい発展段階へと導いてくれる。

●Huawei(ファーウェイ):ファーウェイはエンドツーエンド(end to end)(高度な通信制御や複雑な機能を末端のシステムが担い、経路上のシステムは単純な中継・転送のみを行う)に基づき、5G能力を全面的にリードし(アドバンテージを持ち)、中国の通信事業者が中国の5Gシステムを建設することを全面的に支持する。近い将来に中国の5Gが全世界をリードしていくと信じている。

●Qualcomm(クァルコム):これは全世界の5G発展にとってシンボリックな出来事だ。中国の5G時代が正式にスタートした。

●OPPO(オッポ)(歩歩高=ブーブーガオ傘下。広東省東莞市):中国が正式に5G世代に入ったことを意味する。OPPOは既に5G商用に向けて全面的に準備している。中国内で最初に5G商用スマホを市場に出す自信を持っている。

●VIVO(ビボ)(歩歩高の傘下):わが社の最初の5Gは既に実験室でネット測定に入っている。中国市場で最初に登場する5G商用スマホになるだろう。

●INTEL(インテル):わが社が中国の5Gネットワークの中で重要な役割を果たすことを非常に嬉しく思っている。われわれは中国のハイテク産業生態の開拓に協力して進み、5Gが絶え間なく発展することを支持する。

●エリクソン:5Gの営業許可証を発行するということは中国の5G市場の積極的な発展に有利に働きくだろう。われわれは既にそのサービスや配布チームを配備を促進させ、中国における5Gの商用化に備えている。

その他鉄塔(チャイナ・タワー)や小米(シャオーミー)などの意思表明が続くが省略する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏がウォール街トップと夕食会、生活費高騰や

ワールド

米、政府閉鎖中に模範勤務のTSA職員に1万ドルのボ

ビジネス

米国株式市場=急落、エヌビディアなど安い 利下げ観

ワールド

ゼレンスキー氏、南東部前線視察 軍は国産ミサイル「
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 5
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 10
    「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中