最新記事

ライフスタイル

データで見る「ニッポンの独身者は誰と暮らしているのか」-「結婚のメリットがわからない」独身者の世帯(居場所)のカタチとは-

2018年11月9日(金)13時30分
天野馨南子(ニッセイ基礎研究所)

まず最新の国勢調査結果から、日本における男女総数ベースの配偶状況を確認しておきたい(図表2)。

amano20181109113902.jpg

日本において、20歳以上の男女合計においては、22.2%(5人に1人以上)は結婚歴がない独身者である。男女別に見ると男性の方が女性よりも独身者割合が高く、4人に1人以上は独身者ということになる。

他に男女差がはっきりしているのは「死別」であり、約5倍ものポイントの差となっている。これは女性の方が長寿であることと、男性が年上である結婚が上の世代ほど多いために生じている。人数差としては、50代後半で同じ年齢ゾーンでの死別経験かつ配偶者のいない男女の差が10万人を超える差(女性の方が多い)となり、その差は60代後半で約50万人、70代後半で120万人を超える。

2|年齢ゾーン別の独身者割合

次に男女別に、年齢ゾーン別独身者の割合を確認したい。

男女とも20代前半ではともに約9割が独身である。割合的に(この年齢では生物学的に男女がほぼ同数であるので人数的にも)バランスしている。

しかし、20代後半では、女性の約6割、男性の約7割が独身で、男性の独身割合が女性を大きく超え始める。

30代前半になると女性独身者はすでに3人に1人にまで減少する一方で、男性は半数近く独身であることがわかる。この男女格差は年齢とともにさらに上昇し、50代後半には、同年齢ゾーンの女性の約2倍、男性独身者が存在する状況となる。

ここで、50歳以降も独身者割合が減少していることから「いつかは結婚するのでは?」と解釈するのは誤りである。

日本において男女の生涯未婚率(50歳時点婚歴なし割合)が急上昇し始めたのは1990年の国勢調査後からである。1990年に50歳であった2015年に75歳の男性は、すでに彼らが50歳の時点で5%程度しか独身者がおらず、その割合のまま持ち上がる形となっている。

高齢者の独身者率が低いのは、彼らが50歳の段階で、すでにその割合の独身者率に達していたからである。これが、50歳時点婚歴なし者割合が「生涯未婚率」とよばれる所以である。

amanochart3.jpg

3――年齢別・男女別 独身者は誰と住んでいるのか?

1|独身男性のケース-若いうちは親と同居、親との同居解消は50代から

独身男性が年齢ゾーン別にどのような世帯に住んでいるかをまとめたものが下の図表である(図表4)。

amanochart4444.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日韓などアジア歴訪 中国と「ディ

ビジネス

ムーディーズ、フランスの見通し「ネガティブ」に修正

ワールド

米国、コロンビア大統領に制裁 麻薬対策せずと非難

ワールド

再送-タイのシリキット王太后が93歳で死去、王室に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 2
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任務戦闘艦を進水 
  • 3
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元に現れた「1羽の野鳥」が取った「まさかの行動」にSNS涙
  • 4
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 5
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 6
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 7
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 8
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 9
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 10
    アメリカの現状に「重なりすぎて怖い」...映画『ワン…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中