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中米移民移民キャラバンのLGBTカップル7組、国境で涙の結婚式
LGBT Couples With Migrant Caravan Hold Symbolic Wedding
メキシコ側から国境の塀越しにアメリカ側を見る移民たち Jorge Duenes-REUTERS
<LGBTが激しい暴力や差別にさらされる中米の国々では不可能だった結婚式の夢がやっとかなった。ただこの先はトランプの領分だ>
苦難の旅を経てアメリカとメキシコの国境にたどり着いた数千人の中米からの移民キャラバンの中から、少なくとも7組のLGBTカップルが11月18日、国境の町ティファナで開かれた集団結婚式に参列し、人々の前で愛を誓った。
英紙テレグラフが撮影した動画は、グアテマラ出身のペドロ・ネミアス・パストール・デレオンと、ホンジュラス出身のエリック・アレクサンダー・デュラン・レイエスのカップルが結婚指輪を交換し、ブーケトスをする様子をとらえている。カップルのひとりは同紙に対し、「夢が叶った。私たちの国ではこんなことはありえない。(結婚を)ずっと願っていた。ようやく機会に恵まれ、とても幸せだ」と語った。
Congrats to Erick and Pedro! The first LGBT couple of 7 from the migrant caravan to get married today. pic.twitter.com/6t3Snt6jZV
— Sarah Kinosian (@skinosian) 2018年11月18日
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、中米諸国に住むLGBTの人々は、より激しい暴力や差別に悩まされている。
2017年にアムネスティ・インターナショナルが公表したレポートは、「暴力事件が多発するエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスに住むレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックスの人々は、生命の危険にさらされている」と警鐘を鳴らしている。
これら3カ国の当局は、LGBTコミュニティを保護できておらず、住民は「逃げるしかない」状況にあると、このレポートは言う。
キャラバンの中でも差別
アムネスティ・インターナショナルが2017年に話を聞いたLGBTの亡命希望者の話によると、彼らは母国で絶え間ない差別や、身体的・精神的暴力を受け、犯罪組織に金銭を強奪され、さらには殺人の危険にさらされることもあるという。
LGBTの人権を守るために活動するホンジュラスの非営利団体「Cattrachas」によれば、同国で2009年から2017年のあいだに殺害されたLGBTは275人に上る。アムネスティはレポートのなかで、そうした殺人事件の加害者が法の裁きを受けることは滅多にないとしている。
11月12日、カリフォルニア州サンディエゴと国境を隔てるメキシコのティファナに、そうした環境から逃げてきた約80人のLGBTグループが到着した。彼らは国境にたどり着いた第1陣となった。
彼らの話では、ほかの移民から差別を受けたため、メキシコシティで大規模キャラバンから離脱したという。
その後、何千人ものほかの移民たちもティファナに到着した。すると今度は、地元住民からは抗議の声があがった。
ティファナの住民は11月18日、キャラバンに対する抗議活動を行った。メキシコ国旗を振りながら国家を歌い、「出ていけ! 出ていけ!」の大合唱をしたと、英紙ガーディアンは伝えている。
彼らはアメリカに難民申請をするためこの国境までやってきた。だがアメリカ側のサン・イーサイドロにある検問所では、1日に約100人しか申請を受け付けず、数週間は足止めを食らうことになりそうだ。何とか壁が突破できたとしても、向こう側にはアメリカの国境警備隊やトランプ米大統領命で派遣された米軍が待ち受ける。
やっと結婚式を挙げることができた7組のLGBTカップルにとっても、この先が本当の難所になるかもしれない。
(翻訳:ガリレオ)