最新記事

ヘルス

やせていても太っていると思い込む、日本の女性の危険な「やせ」願望

2018年10月10日(水)16時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

最近の国立青少年教育振興機構の調査によると、日本の女子高生の半分以上が「自分は太っている」と思っている。しかし客観的な体重をみると、痩せている子が多い。<図2>は、体重と肥満認識をとった座標上に、4カ国の高校生男女のドットを配置したグラフだ。

maita181010-chart02.jpg

日本の女子生徒(Jf)は最も右上にある。痩せている子が多い(身長差を考慮しても)にもかかわらず、自分を肥満と思っている子の割合が高い。同じ女子でも、アメリカとは大違いだ。

日本の女子は、客観的な状況と認識のズレが大きくなっている。痩せているにもかかわらず、自分を肥満と思い込んでいる。ジェンダーの差(m:男子とf:女子の距離)も大きく、痩身を美とする風潮に過剰に反応している(させられている)女子の姿は痛々しい。メディアも痩身を過度に煽るのは控えるべきだろう。

ちなみに、何が美とされるかは時代や社会によって違う。太ろうにも太れない時代や発展途上国では「ぽっちゃり」、飽食の現代や先進国では「やせ」が美しいとされる。大雑把に言って、実現し難いことが尊ばれる傾向にある。常識の社会的規定性(相対性)について知っておくと、「今・ここ」の風潮に振り回されにくくなる。

<資料:ISSP「Health and Health Care - ISSP 2011」
 国立青少年教育振興機構『高校生の心と体の健康に関する意識調査』(2018年3月)

ニューズウィーク日本版 教養としてのミュージカル入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月17号(3月10日発売)は「教養としてのミュージカル入門」特集。社会と時代を鮮烈に描き出すポリティカルな作品の魅力[PLUS]山崎育三郎ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

USMCA見直し、カナダとの交渉にはいくつかの逆風

ビジネス

為替動向、国民生活への影響念頭にいかなる時も万全の

ビジネス

HSBCとスタンチャート、イラン戦争で中東事業に暗

ビジネス

米ダラー・ゼネラル、11─1月期既存店売上高が予想
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 4
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 5
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 10
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中