最新記事

気象

南アフリカの砂漠に大雪 ゾウ、キリン...野生動物が雪の中に佇む

2018年9月14日(金)12時50分
松丸さとみ

南アフリカの国立公園で雪の中で佇む野生動物 Kitty Viljoen/WEATHER/ METEO WORLD@StormchaserUKEU-twitter

<そろそろ春になる南アフリカで、大雪が降り、乾燥したサバンナが一面雪景色となった...>

半砂漠でも積雪

北半球では暑かった夏がそろそろ終わりようやく凌ぎすくなって来たが、南半球では春になるところだ。しかし南アフリカでは7日の金曜日から週末にかけて、雪が積もった。普段は乾燥したサバンナが雪景色に変わり、キリンやサイ、象などのアフリカの野生動物たちが、白い雪を背にして立っている姿をとらえた珍しい写真が、ソーシャル・メディアを賑わせた。

ガーディアン紙や英デイリーメール紙などによると、週末に降雪があったのは西ケープ州や東ケープ州といった南アフリカ南部を中心とした広い地域。西ケープ州にある半砂漠のカルー国立公園でも積雪がみられ、幻想的な景色が広がった。気温は氷点下まで下がり、一部では積雪が25センチにもなった地域もあったという。東ケープ州では道路が閉鎖されるほどだった。

東ケープ州在住の写真家、キティ・フィルヨーンさんは、今回雪が降った地域の1つであるスネーウで、雪の中で佇むキリンや象の姿を撮影した。英メトロ紙によると、スネーウという名前は現地の言葉で「雪山」という意味だ。その名前が示す通り、この地域での降雪はそれほど珍しいことではないらしいが、前回大雪が降ったのは2010年だったという。

フィルヨーンさんは、「動物たちは、雪になるのが事前に分かるので、暖かい地域に移動してしまう」と説明した。そのため、このような写真を撮ることができるのは珍しいようで、「象が泳ぐ姿を見るのには慣れているんだけど」とメトロに話した。



今年7月にも急激な寒波に見舞われた

アフリカは暑いと言うイメージから、雪がまったく降らないと思っている人が多いかもしれない。しかし南アフリカの「雪好き」たちが運営しているという南アフリカでの雪に関する専門サイト「スノー・リポートSA」は、「実はそんなことはない」と語る。

「スノー・リポートSA」のデータを引用して伝えた英イブニング・スタンダード(ES)紙によると、20世紀に入ってからは毎年積雪しているらしい。とはいっても、暑くて乾燥した場所に生息するイメージのキリンやサイ、アンテロープ、象などといった南アフリカの野生動物が、白い景色の中で写真に収められるのは珍しいとES紙は伝えている。

なお、南アフリカは今年7月にも急激な寒波に見舞われ、10年に1度と言われる積雪があった。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中