最新記事

米軍事

トランプ、先制核攻撃へ一歩──小型核弾頭開発を表明

2018年2月5日(月)17時46分
ザカリー・フライヤー・ビグス

「国際的な安全保障環境の悪化を受け、アメリカは核兵器の近代化に一層力を入れ、あらゆる脅威に対して抑止力を発揮する必要がある」と、ルイスは言う。「問題は、なぜアメリカが現在保有する4000発以上もの核弾頭が、いまだに抑止力を発揮できていないのか、だ」

今回のNPRは、2010年のNPRで「核なき世界」を目指し、核兵器の数と役割の縮小を掲げたバラク・オバマ米前大統領の核軍縮方針を転換させるものだ。

オバマのNPRは、「核兵器を使ったテロの防止と核不拡散を最優先課題に掲げ、アメリカがいかにして核兵器の数と役割を縮小させるかを示した」と、当時オバマ前政権の国防長官だったロバート・ゲーツは、2010年のNPR発表に際してこう述べている。

核巡航ミサイルは不安定化要因

オバマは2010年、米ロ両国が戦略核兵器をそれぞれ1550発以下に減らす新戦略兵器削減条約(新START)をロシアと結んだ。ロシアによる2014年のクリミア併合や2016年の米大統領選への介入で米ロ関係が悪化しても、両国は順守してきた。条約は2021年に失効する。

2010年のNPRは、米軍艦船に配備されていた核巡航ミサイル「トマホーク」を退役させる方針を明記していた。巡航ミサイルに核弾頭を搭載するのは、敵対国が通常兵器による攻撃を核攻撃と誤解し、たちまち核戦争に発展する恐れがあるため反対が根強い。

1990年代のビル・クリントン政権で米国防長官を務めたウィリアム・ペリーは、反対派の急先鋒だ。

彼は2015年10月、当時大統領だったオバマに核巡航ミサイルの廃止を訴えた米紙ワシントン・ポストの論説でこう書いた。「ミサイルの不意打ちが可能で、核兵器も通常兵器も搭載できるため、核巡航ミサイルは情勢を不安定化させる凶器だ」

(翻訳:河原里香)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン新指導者が初声明、ホルムズ海峡封鎖で「圧力」

ワールド

原油が200ドルに達する可能性は低い=米エネルギー

ワールド

トランプ氏、原油高は米の利益 イラン核保有阻止が最

ビジネス

米新規失業保険申請、1000件減の21.3万件 雇
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 10
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 9
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中