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平昌五輪平昌五輪、氷点下のスタジアムに4時間以上座る開会式
寒さに備えるボランディア Mike Blake-REUTERS
<いよいよ平昌冬季五輪の開会式が開催されるが、予想を上回る不人気で部屋が埋まらないほか、平昌五輪の最大の課題は寒さだ>
平昌冬季五輪の開会式に出席する安倍首相は、江陵(カンヌン)に隣接する江原道の襄陽(ヤンヤン)国際空港に降り立った。同空港を利用する首脳の入国は2002年の開港以来はじめてで、中大型機の運航がほぼなかった襄陽国際空港は、五輪に合わせて保安活動を強化したばかりである。
五輪に合わせて韓国を訪問する要人は、ドイツのシュタインマイヤー大統領、オランダのルッテ首相、スウェーデンのカール16世グスタフ国王、リトアニア、エストニア、ラトビアのバルト3国の大統領など21の国と機関の26人だが、朝鮮半島を取り巻く米国・中国・日本・ロシアの4カ国からは日本の安倍晋三首相ただ1人で、各国首脳より北朝鮮の高官や選手団に関心が集まっている。
憲法上の元首である金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長とともに金正恩朝鮮労働党委員長の実妹金与正(キム・ヨジョン)氏が訪韓した。故金日成国家主席の直系親族の韓国訪問は分断後はじめてである。
予想を上回る不人気で部屋が埋まらない
冬季五輪と3月に開催されるパラリンピックは、興行に加えて、宿泊、寒さ、北朝鮮の行動、競技場の事後活用が課題として挙げられていた。
開幕を4日後に控えた2018年2月5日末時点の入場券の販売率は77.3%で、少しでも関心を高めるため、自治体が観戦する住民にチケットを無料で配布し、教育部も実習として見学する予算を編成している。
通常は1部屋10万ウォン前後のホテルやモーテルの宿泊料が35万ウォンから一時は50万ウォンまで高騰したが、取り締まりを強化した成果から通常価格の1.5倍の10万ウォン台まで下がった。
予想を上回る不人気で部屋が埋まらず、 江原道庁の調査によると五輪期間の2月9日から25日の客室販売率は、雪上競技と開会式や閉会式が開かれる平昌は72%で、氷上競技が行われる江陵は57%、アルペン競技が開かれる旌善(チョソン)は37%にとどまり、平均は閑散期並みの平均65%となっている。
空室はソウルと江陵を結ぶ高速鉄道KTXが五輪期間中は江陵発午前1時まで延長されることが大きい。夕方以降に行われる競技を観たあとからでもソウルに移動できる上、ソウル駅から江陵駅まで片道2万7600ウォンと安価で、ソウル市内に宿泊して通ってもホテルと交通費を合わせて15万ウォンから20万ウォンで収まるのだ。
平昌五輪の最大の課題は寒さ
平昌五輪の最大の課題は寒さだろう。冬季五輪は江原道平昌郡をメイン会場に、江陵市でスケート競技、旌善郡でアルペン競技が行われる。雪はまったくといってよいほど積もっていないが、最低気温は氷点下10度から20度で日中も氷点下だ。
各国の要人が出席する開会式は夜8時の開始で、セキュリティ上、一般観覧者は2時間前までの入場となっており、式典と合わせると氷点下のスタジアムに4時間以上、着座することになる。
安全対策として韓国政府と江原道は、海外からの来場者に対応する五輪統合案内コールセンター(1330)を開設し、英語、日本語、中国語に対応する。宿泊や料理、交通、文化行事などの五輪関連情報に加え、通訳サービスも提供する。
現場には英語、日本語、中国語のいずれかの会話が可能な観光警察官が配備される。10か国語に対応する翻訳機を携行し、取締りや苦情処理のほか、観光案内にも対応する。黒いコートと黒のベレー帽を着用する観光警察官は、黄色いジャケットの警護担当やグレーのジャケットを着用する一般警察官との識別は容易だ。
代表や選手団を送り、韓国と合同チームで参加することになった北朝鮮が期間中に軍事行動を起こすとは考えられない。ノロウィルスの集団感染が発生しているが、五輪観戦は寒さ対策が一番だろう。在韓日本大使館のホームページなどを参照し、安全な観戦を心がけたい。