犬が「噛む」のはワケがある
おもちゃへの誤った認識
人間にとって価値あるものを「噛む」から守るためには、その代わりに噛んでいいものを与える必要がある。犬が気に入ってくれるかという問題があるが、それでも最善の選択肢はあるはずだ。テナントは「インターネットの情報から人々が一般的に誤解しているのは、単におもちゃをいくつか与えればいいということだ」と語る。
テナントが犬にとって相応しくないおもちゃと考えるのは「プラスチックの臭いのするもの」。これは必ずしも犬に心地よい臭いではないので、人間の履いた革靴には勝てない。いっそのこと革靴をおもちゃとしてあてがっても、噛んでも良い革靴と噛んではいけない革靴の判別がつくのか。木の例と同じ壁に突き当たる。
テナントは、この状況を解決する方法に「おもちゃと犬の関係を強化するための追跡ゲームを使った訓練」を勧めている。やり方は簡単。おもちゃを投げて拾わせるだけだ。「犬には所有する気持ちがあり、その性質を利用する」という。
おもちゃの材質にもこだわりたい。柔らかいものは犬に人気があるようだが、簡単にボロボロになるから頻繁に交換しなければならない。これは犬が心理的に嫌うことなので避けたい。
そして訓練のタイミングも重要なポイントだ。犬が何か噛んだら、間を置かずすぐに実施するのが望ましいという。犬が悪いことをして申し訳なさそうに見えるから何もせず許したとしても、「やってはいけないことを止めた後で犬を叱っても効果はない」と指摘する。
罪悪感のある愛犬の姿は飼い主を混乱させるが、ここは抱きしめたくなるのも、怒りたくなるのも堪えて、イギリス式訓練を試してみてはいかがだろう。
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