最新記事

中朝関係

習近平は北朝鮮の金正恩を10月に見限るのか?

2017年9月28日(木)12時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

また、李外相が23日、国連演説で「北朝鮮のロケットがアメリカ本土に到達することを避けられなくなった」と威嚇し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や中長距離弾道ミサイル(IRBM)をグアム、ハワイ、または米国西海岸の近くまで飛ばし、米国本土への攻撃能力を誇示することも考えられる。

このようなミサイル挑発が、米国領土や領海を侵犯しなくても、事前予告なく発射された場合、民間航空機や船舶が被害を受ける可能性が存在する。 緊張が高まった状況では、偶発的な事故が戦争の引き金と成り得る。 軍事的な挑発が攻撃意図をもった軍事行動と誤認され、突発的な武力衝突を招く恐れもある。

外交や安全保障の専門家たちが懸念しているのも偶発的衝突と事故による戦争勃発のシナリオだ。 ジェームズ・スタブリディス元NATO軍総司令官がLAタイムズのインタビューで「キューバ危機を除けば、現在は歴史上最も核戦争に近づいている」と警告したのも、このような憂慮を代表している。 彼は通常兵器による戦争の可能性が50%、核戦争の確率が10%と予想した。

中国国内で「北朝鮮見捨てるべし」の議論

一方で、北朝鮮とアメリカの対立が日ごとに高まるなか、なんとか朝鮮半島における軍事衝突を避けたいと思っているのが中国である。だが中国の若手学者の間で「中国は朝鮮半島有事に備えるべき」という意見や、さらに突っ込んだ問題提起として「もはや北朝鮮を見捨てるべき」という議論が出てきている。韓国メディアの東亜日報は以下のように報じている。

最近、中国国内で論争が起きた北京大学国際政治学部長の賈慶国(チア・チンクオ)教授の主張「中国が朝鮮半島の戦争の可能性を認め、米韓との交渉で北朝鮮からの難民対応、および核兵器の処理問題などに備えなければならない」に対して、中国の若手学者たちを中心に賛同する動きが起きている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米10月求人件数、1.2万件増 経済の不透明感から

ワールド

スイス政府、米関税引き下げを誤公表 政府ウェブサイ

ビジネス

EXCLUSIVE-ECB、銀行資本要件の簡素化提

ワールド

米雇用統計とCPI、予定通り1月9日・13日発表へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    ゼレンスキー機の直後に「軍用ドローン4機」...ダブ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中