ボルボが2年で全車種EVシフト 背景に中国メーカー
ガソリンの天下は終わる?
石油から電気へのシフトは、世界のエネルギー貿易の地政学もじわじわと書き換えることになりそうだ。ハーバード大学行政大学院とコロンビア大学国際エネルギー政策センターの研究者が最近報告した。
EVが増え続ければ、いずれはロシアや中東の石油に対する需要が減る。何年も続く原油安でただでさえ財政難の産油国は、ますます財政が苦しくなる。そうなれば、政情不安に陥るか、逆にサウジアラビアや一部の湾岸諸国のように、経済改革が進むかのどちらかだ。
一方で、EVを支える資源を支配する新たなメジャーが出現する可能性もある。たとえば中国は、EVのバッテリーに欠かせないリチウムとインジウムの世界最大の生産国だ。
再生可能エネルギーの未来が、OPEC(石油輸出国機構)を弱らせ、別の国の力になる、というお決まりの予測が実現するとは限らない。現にリチウムは、アルゼンチン、チリ、オーストラリアにもあり、中国が市場を席巻する可能性は低い。
それでも、石油メジャーが原油採掘で熾烈な競争を繰り広げていた100年以上前からほとんど変わらないガソリンの天下を、今回のボルボの発表は壊すきっかけになるかもしれない。
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