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仏大統領選フランス大統領選で注目すべき「4強」と3つのデータ
大統領選は4人(左からフィヨン、ルペン、マクロン、メランション)の接戦に Charles Platiau-REUTERS
<有力候補4人が接戦を繰り広げるフランス大統領選。23日の第1回投票の注目点は、投票率や各候補の得票数、そして浮動票の行方だ>
フランス大統領選の第1回投票日(23日実施)が近づいている。
現職のフランソワ・オランド大統領が4%という最低の支持率で結局出馬せず、与党・社会党を中心とする左派連合の統一候補には「際立って」目立たないブノワ・アモン前国民教育相が選出された。
EUの将来を占う重要な選挙として注目される大統領選だが、支持率はめまぐるしく入れ替わり、現在は以下の「4強」に争いが絞られてきた。ただし、投票3日前にパリでISIS(自称「イスラム国」)による銃撃テロが起こるなど、まだまだ事態は流動的だ。
「4強」候補
中道右派のフランソワ・フィヨン元首相は、サルコジ元大統領や事前の期待が高かったアラン・ジュペ元首相をやぶって、予想外の統一候補となった。しかしその後、勤務実態がない妻と2人の子供に多額の報酬を支払っていた疑惑が明るみになって訴追され、首位から脱落した。
代わりに最有力候補の1人に踊り出たのは、ほぼ無名だった中道のエマニュエル・マクロン前経済相。マクロンはEUとの統合推進を主張し、ロシアに対抗する姿勢を見せている。
【参考記事】極右、トランプという暗黒が生んだフランスの新星マクロンの魅力とは
極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペンは、先月末にプーチンと会談するなどロシア寄り。ここへきて国民戦線を穏健右派のイメージに変える「脱悪魔化」を進めている。
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一方で、フランスのEU離脱(フレグジット)の是非を問う国民投票の実施や、不法移民の子供たちへの教育をやめる憲法改正を提唱。ナチス占領下で起きたフランス警察のユダヤ人検挙事件について、フランスの責任を否定する発言をしている。
4月に入って支持率が急上昇したのが左翼党のジャンリュック・メランションだ。既存メディアを避けて自分のYouTubeで語り、社会主義のキューバやベネズエラに好意的な言動をしている。
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直前テロの影響
パリは、130人の死者を出した2015年11月の同時多発テロ以来今も厳戒態勢にあるが、昨日、候補者がテレビの生番組に出演しているさなかに再びテロが発生。警官が1人犠牲になった。投票にも少なからず影響するだろう。ISISの犯行とみられることから、排外主義を唱える極右に有利に働くことも考えられる。
投票日前の3つの注目データを整理してみよう。
■投票率
最大の注目点は投票率で、その理由は大きく2つある。
投票率が比較的低い場合(フランス大統領選の場合には70~80%以下のケース)、既存政治家の候補者が少ない今回の選挙でも有権者が失望していることを意味する。
投票率が低いほど、ルペンとフィヨンに有利そうだ。2人の支持者は、マクロンやメランションの支持者より投票に行く割合が高いからだ。
■誰がどれだけ得票して決選投票に勝ち進むか
5月7日の決選投票には、2人の候補者だけが勝ち進む。現状では4強(フィヨン、ルペン、マクロン、メランション)の接戦となっている。もし上位2人の候補が3位以下の候補に大差を付ければ、決戦投票までの選挙戦では論争が深まり、争点が分かりやすい選挙が期待できるだろう。しかし、もし2位の得票が3位、4位と大差なければ、下位候補を支持した有権者が、決戦投票で波乱を起こすかもしれない。
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■浮動票はどう動く
現在でも20~25%の有権者がまだ誰に投票するか決めかねている。投票日直前か投票日当日に、いずれかの候補が一気に支持を伸ばす可能性はある。どの候補がそのチャンスに恵まれるか、それも注目点だ。