最新記事

【2016米大統領選】最新現地リポート

トランプ夫人のスピーチ盗用疑惑も 異常事態続出の共和党大会

2016年7月20日(水)12時10分
渡辺由佳里(エッセイスト)

 ところが、それから数時間もたたないうちに「メラニアのスピーチは盗作だ」という情報がツイッターに流れた。2008年の民主党大会で聴衆を感動させたミシェル・オバマのスピーチをコピーペースト(切り張り)したとしか思えない、酷似した部分があったのだ。この事実は、翌日の明け方には大手メディアでも報道された。


<ミシェル・オバマのスピーチ>

And Barack and I were raised with so many of the same values: like, you work hard for what you want in life; that your word is your bond; that you do what you say you're going to do; that you treat people with dignity and respect, even if you don't know them and even if you don't agree with them.

And Barack and I set out to build lives guided by these values and to pass them on to the next generation, because we want our children -- and all children in this nation -- to know that the only limit to the height of your achievements is the reach of your dreams and your willingness to work hard for them.


<メラニア・トランプのスピーチ>


From a young age, my parents impressed on me the values that you work hard for what you want in life. That your word is your bond and you do what you say and keep your promise. That you treat people with respect. They thought and showed me values and morals in their daily life. That is a lesson that I continue to pass along to our son, and we need to pass those lessons on to the many generations to follow.

Because we want our children in this nation to know that the only limit to your achievements is the strength of your dreams and your willingness to work for them.

 政治評論家たちが驚いたのは、この盗用があまりにも初歩的なことだ。党大会の演説、特に候補と候補の夫人の演説は細かいところまで分析されことが最初からわかっている。よりにもよって、現大統領夫人の8年前の民主党大会のスピーチから拝借とは杜撰すぎる。

 いったいこのスピーチを書いたのは誰なのか?

【参考記事】ようやくヒラリーを受け入れ始めたサンダース支持者

 アメリカの政治の世界では、オバマ大統領ほどの人物でもプロのスピーチライターチームを使う。責任感がある政治家は、演説で伝えたいテーマとポイントをライターに指導し、出来上がった文章をチェックして納得できるまで直させる。

 メラニアは、スピーチの前にNBCの取材で「援助は最小限で、自分自身で書いた」と答えていたが、盗用疑惑の後でトランプ陣営は、「メラニアのスピーチライターチームが、彼女から人生のインスピレーションを聞いて記録し、(スピーチ)のところどころに、彼女自身の考え方を反映するものを含んだ」と声明を出した。つまり、書いたのはメラニアではなく、スピーチライターだと言うのだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮抑止「韓国が主な責任」、米国防総省が関与縮小

ワールド

トランプ政権のEVインフラ助成金停止は違法、米地裁

ワールド

加州がWHO感染症対応ネットワークに加盟、米の正式

ビジネス

焦点:中国、サービス消費喚起へ新政策 カギは所得増
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な一部」ではないと指摘
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 5
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    コンビニで働く外国人は「超優秀」...他国と比べて優…
  • 8
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 9
    湿疹がずっと直らなかった女性、病院で告げられた「…
  • 10
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な一部」ではないと指摘
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 10
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中